『Woodstock: Music from the Original Soundtrack and More』 couple 1969 & 2019
音楽が恋愛に与える影響を英ガーディアン紙が特集。心理学者によると、音楽家はモテる可能性があること、また一緒に音楽を楽しむカップルは一緒にい続ける可能性が高いという。
同紙は過去の実験を複数紹介しています。
2022年、ウィーン大学のマヌエラ・マリンとオーストリアのインスブルック大学のイネス・ラトゲバーは、パートナー候補の音楽的能力によって、その人を魅力的に感じる度合いが変わるかどうかを検証しました。
実験は2つに分けられ、58人の参加者はそれぞれランダムに割り当てられた順序で実験に参加しました。一つのグループでは、参加者は静かに座ってコンピューターの画面に表示される異性の顔写真を複数枚見ました。もう一方のグループでは、同じ顔写真にピアノの音楽が組み合わされ、その音楽は写真に写っている人物が演奏したものであると伝えられました。両方のグループの参加者は写真を見るたびに、その人物をどの程度魅力的に思うか、またその人とデートしたいと思うかを評価するように求められました。
参加した男性も女性も、写真の人物がピアニストだと思った場合、その人とデートしたいと思う傾向が強く、また女性はその人物の顔をより魅力的だと感じました。これは、自分のタイプではないミュージシャンに片思いしている人にとっては、耳馴染みのある話かもしれません。
また、音楽の好みと性格についての研究結果も紹介しています。
「誰かと付き合い始めたり、知り合ったばかりの段階で音楽を聴くことは、お互いを知るプロセスを助けます」と語るケンブリッジ大学の研究員であるデヴィッド・グリーンバーグは彼の同僚と共に最近、研究を行いました。それは36カ国7万人以上の成人を対象に、16の異なる西洋音楽のジャンルとサブジャンルにわたる25のクリップを聴き、自分の性格と、どの程度その音楽が好きかを評価してもらうものでした。その結果、開放的な人々はジャズのような複雑な音楽を好み、外向的な人々はユーロポップのようなアップビートな現代のジャンルを好み、協調的のある人々はソフトロックやR&Bなど、より落ち着いた曲を好む傾向にあることが分かりました。「ブラジルであろうとイタリアであろうと、アメリカであろうとイギリスであろうと、私たちが調査したどの国でも人々の好みは一貫してその性格と一致していました」とグリーンバーグは説明しています。
フィンランドのユヴァスキュラ大学博士研究員ジョシュア・バムフォードによると、音楽は、より調和のとれた交流や親近感を生み出すことで、関係を築き、維持する手助けにもなるという。「音楽は誰もが共感できるビートを提供してくれるので、グループ内やパートナーとの間で高度な連携を実際に体験することができます。そうしたことを実現する上で、他の方法では難しいことを音楽は手助けをしてくれるのです」
一緒に活動を行うことや他の人と一緒に歌うだけで、脳内に快感を生み出すことで有名な結合ホルモンであるオキシトシンが大量に分泌されるという証拠が数多くあります。また、音楽を聴くことでストレスホルモンであるコルチゾールが減少する可能性もあり、音楽を聴くことはカップルのストレスを同時に軽減するため、一緒に音楽を楽しむカップルは、一緒にい続ける可能性が高いという。
写真上は、1969年8月に開催された<ウッドストック・フェスティバル>の最も有名な写真のひとつである、同フェスのライヴ・アルバムのジャケット・カヴァーを飾った抱き合うカップル。その後2人は結婚し、妻が亡くなるまで54年間共に暮らしました。