HOME > ニュース >

伝説的ミキシングエンジニア ボブ・クリアマウンテンの自宅とスタジオがロサンゼルス山火事で全焼

2025/01/12 21:03掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Bob Clearmountain at the Tribeca Grill on April 24, 2010 in New York City. (Photo by Bobby Bank/WireImage)
Bob Clearmountain at the Tribeca Grill on April 24, 2010 in New York City. (Photo by Bobby Bank/WireImage)
デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック、ローリング・ストーンズ、ブルース・スプリングスティーンなど、数多くの名作サウンドを生み出してきた、伝説的ミキシングエンジニア/プロデューサーのボブ・クリアマウンテン(Bob Clearmountain)。自宅とスタジオがロサンゼルス山火事で全焼したことが明らかにされています。

クリアマウンテンが手がけた作品の多くは太平洋を望むホーム・スタジオ「Mix This!」で制作されました。 クリアマウンテンは米ロサンゼルス・タイムズ紙の取材でこう話しています。

「サンセット大通りから丘の上のほうに炎と煙が見えました。消防車はすぐに駆けつけるだろうと思ったし、ニュースでは風向きが反対方向に向かっていると言っていたので、すぐに鎮火するだろうと思っていました。しかし、数時間後、娘から電話があり、“そこから出なきゃダメよ”と言われました」

クリアマウンテン、彼の妻、そして彼のアシスタントは3台の車に機材や貴重品を詰め込みましたが、それでも念のためだと考えていたという。彼が何十年もかけてカスタムメイドしたスタジオの機材の多くは動かせないものでした。ベーゼンドルファーのグランドピアノやSSL録音コンソールは、短時間では動かすことはできませんでした。

「思いつく限りのものはすべて持ち出しました。私たちは数日後には戻るだろうと思っていました。避難命令が解除されたら、すぐにすべてを家に戻すことになるだろうと思っていました。これが私たちの世界の終わりになるとは思いもしませんでした」

夫妻は避難先で、山火事が自分たちのコミュニティに向かって進む様子を自宅のドアベルのカメラで見ていたという。

「隣家のフェンスが燃え、うちのゴミ箱が燃えているのが見えました。カメラが映らなくなったのは8時15分頃で、私たちは“うちは壁は漆喰仕上げだから火事にならないかもしれない”と思っていました。水曜日まで何もわかりませんでしたが、その後、私たちの通りの家は1軒を除いてすべて完全に焼失したと聞きました。

今朝、ようやく知り合いの一人がどうにかして自宅に着き、後ろに何もなくなった私たちの私道の写真を撮ってくれました。ただの私道と灰だけが写っていました」

クリアマウンテンは、大切なレコーディングスタジオを失ったという現実をようやく受け入れ始めたところだという。 彼は何らかの形で仕事を続けていくつもりだと語っています。