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ザ・キュアーのロバート・スミス 「ファンの中に、かつてはなかった特権意識が芽生えている」 執拗なファンの行動に対する懸念を語る

2025/01/02 21:26掲載
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The Cure
The Cure
ザ・キュアー(The Cure)ロバート・スミス(Robert Smith)は現在は「ファンの中に、かつてはなかった特権意識が芽生えている」と指摘し、執拗なファンの行動に対する懸念を語っています。

スミスは、BBCのポッドキャスト番組『Sidetracked』のエピソードの中で、ポップ・アーティストのチャペル・ローンがファンとの間に境界線を引いていることについて質問されました。ローンは、2023年のデビューアルバム『The Rise And Fall Of A Midwest Princess』がヒット。2024年に人気が急上昇し、さらに多くのファンを獲得しましたが、急激に有名になったため、ストーカー行為や嫌がらせ、いじめといった問題に悩まされており、彼女はオンライン上の投稿で、執拗なファンに関するいくつかの懸念を表明しました。

スミスは、このことについてどのように考えているか話しています。

「複雑な問題だ。アーティストとして活動していると、人々には自分と関わっていると感じてほしいと思うものだが、現在は、かつてはファンの中に存在しなかった権利意識が芽生えている。

僕たちが活動を始めた頃は、自分たちがやるべきことをやるだけで十分だった。消費者は、それ以上のものを期待していなかった。アレックス・ハーヴェイやデヴィッド・ボウイのコンサートに行ければ十分だった。彼らと一緒に過ごしたり、彼らと知り合いになれるとは思ってもみなかったけど、今ではそれが当たり前のように思われている。

ザ・キュアーの人気が高まるにつれ、僕たちは長年にわたって多くの執拗なファンの行動を経験してきた。正直なところ、かなり脅威に感じることもある。玄関の外で寝ている人がいると、かなり気味が悪くなる。僕自身は周囲の人ほど悩まされていないけど、玄関のドアの前で誰かが待ち構えていて、その人がまるで宇宙の運命に導かれたかのように感じているとき、その人は正気ではないのかもしれないと考えるものだ。このような状況にどう対応すべきか? 本当に難しいよ。

ほとんどの人が考えていないのは、ある程度の短期間で有名人や成功者の地位につくと、下層レベルでの地に足がついていないため、物事に対処するのがより難しくなるということ。僕たちの場合は、有名になり始める頃までに、何年も何年も何年もツアーを続け、世界中を回り、さまざまなことをこなしており、僕はどう対応すべきか何となくわかっていた。それはすでに自分の一部として身につけていた。

有名であるというのは、もし自分のしていることを楽しんでいないなら、想像できる中で最悪な生き方の一つだと思う。いつもジロジロ見られたり、つつかれたり、期待されたりするのは本当に嫌なものだよ」