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ダダリオのギター弦はなぜ色分けされているのか? 同社のCEOが環境保護を学んだ娘から怒られたことがキッカケだった

2024/12/24 11:39掲載
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d'addario guitar strings color code
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世界的に有名な老舗弦メーカー「D'Addario(ダダリオ)」のギター弦はなぜ色分けされているのか? 同社のCEOが意外な理由を明かしています。90年代前半、環境保護を学んだ高校生の娘から「弦を交換するだけで、こんなにたくさんのゴミを出しているなんて犯罪行為よ。本当に何とかした方がいい」と怒られたことがキッカケでした。

ダダリオのギター弦は、弦の先っぽであるボールエンドが6弦とも色分けされているので、どの弦を交換しているのかが一目みただけでわかるようになっています。

ダダリオのジム・ダダリオCEOは米ビルボード誌の新しいインタビューの中で、このギター弦の色分けシステムの誕生について、こう話しています。

「1990年代初頭、弦の包装は、6本の弦それぞれを紙袋に入れていました。各弦ごとに紙袋があり、それで各音が識別できるようにしており、それを派手なラベルの付いたビニール袋に入っていました。つまり、最低でも8つの包装があったのです。時には、ちょっとした広告が入っていることもありました。

当時、私の娘エイミーは高校生で、環境への配慮やリサイクル、包装について学んでいた時期でした。私はベッドの上で弦を張り替えていたのですが、作業が終わると大量のゴミが出ていました。すると娘は“そんなことをしていては犯罪行為よ。弦を交換するだけで、こんなにたくさんのゴミを出しているなんて。本当に何とかした方がいい”と言ったんです」

ダダリオCEOはエイミーの指摘を真摯に受け止め、まさに「閃き」とも呼べる瞬間が訪れました。

「弦のボールエンドを異なる色で色分けし、それら弦をまとめて1つの耐食性プラスチック袋に入れるという、色分けシステムを考えつきました。そうすれば、銀色のものはこの音程、真鍮色のものはこの音程と、すぐにわかります」

その結果、ダダリオCEOによると、包装の約75%が削減されたという。また「何十億本もの木が救われ」、「何百万ポンドもの二酸化炭素が大気中に放出されずに済んだ」とも指摘しています。

また、この色分けシステムにより、ダダリオの弦がすぐに認識できるようになったという副産物な効果もありました。