世界屈指のタブラ奏者で、ラヴィ・シャンカール、ジョージ・ハリスン、ジョン・マクラフリン、ヴァン・モリソン、グレイトフル・デッドのミッキー・ハート、ヨーヨー・マ、チャールス・ロイドなどとも共演した
ザキール・フセイン(Zakir Hussain)が死去。家族の発表によると、ザキールは12月15日にサンフランシスコで特発性肺線維症によって亡くなりました。米国の公共ラジオ局NPRやデリーに本拠を置くインドの英語日刊紙Hindustan Timesなどが訃報を伝えています。ザキールは73歳でした。
以下、家族の声明より
「教師、指導者、教育者としての彼の多作な業績は、数え切れないほどのミュージシャンに消えることのない影響を与えました。彼は次世代のミュージシャンたちにさらなる飛躍を促したいと願っていました。彼は文化大使として、また史上最高のミュージシャンの一人として、比類なきレガシーを残しました」
ザキール・フセインは1951年、著名なシタール奏者ラヴィ・シャンカルのタブラー伴奏で知られるアッラー・ラカーの息子としてインドで生まれ、幼い頃にデビューして神童として知られるようになった。1970年にシャンカルのUSツアーに同行して以来、次々と著名な演奏家の伴奏を務め、豊かな創造性に基づく超絶技巧によってこの楽器の魅力を最大限に引き出し、インドを代表するタブラー奏者の地位を築いた。
ザーキルは、従来はリズム伴奏楽器であったタブラーで旋律を奏でる奏法を考案するなど、彼の革新的な創造力によって楽器の音楽的可能性が著しく広がり、タブラーは世界で最もポピュラーなアジアの楽器の一つとして定着した。
またザーキルは、インド伝統音楽の枠組みを超えて世界中のさまざまなジャンルの音楽家と共演して新しい音楽世界を切り開いた。ギタリストのジョン・マクラフリン、カルナータカ(南インド古典)音楽演奏家と結成したフュージョン・グループ、シャクティの活動は、インド音楽の新たな側面を開いた。
ジャズサックス奏者のチャールズ・ロイド、ブルーグラスアーティストのエドガー・メイヤーやベラ・フレック、チェリストのヨーヨー・マ、日本の鼓童、さらにはジョージ・ハリスンやヴァン・モリソンといったロックスターなど、幅広いジャンルのミュージシャンとコラボレーションを行った。