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『宇宙戦艦ヤマト』『サザエさん』『ドラえもん』など 音響効果技師の柏原 満が死去

2024/12/16 11:01掲載
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YAMATO SOUND ALMANAC 1996-I「Sound Fantasia 宇宙戦艦ヤマト」
YAMATO SOUND ALMANAC 1996-I「Sound Fantasia 宇宙戦艦ヤマト」
『宇宙戦艦ヤマト』『サザエさん』『ドラえもん』など数多くのテレビアニメやアニメ映画の音響効果を手掛けた音響効果技師の柏原 満が死去。スタジオカラーの公式X(旧ツイッター)アカウントにて11月18日に亡くなったことが発表されています。91歳でした。

柏原 満は1933年、高知県生まれ。映画の世界に憧れ上京、日本大学芸術学部映画学科からアオイスタジオに入社した後、『鉄腕アトム』の音響効果に携わった経験をきっかけに、音作りの面白さを知る。その後フリーの音響効果マンとして独立。数多くのアニメーション映画の音響効果を手掛けた。

音響機材の少ない時代から、その不便さを補うために試行錯誤を繰り返し、多岐にわたる音源を生み出した。デジタル作業の便利さや効果ライブラリーなどに頼らず、職人としてのプライドを持ち、今日に至るまで縁の下の力持ちとして仕事を続けていた。

主な作品は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ(劇場版含む)、『サザエさん』、『ドラえもん』(劇場版含む)、『笑ゥせぇるすまん』、『平成狸合戦ぽんぽこ』、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』、『銀河鉄道の夜』、『象のない動物園』、『キタキツネ物語』ほか。

訃報を受け、庵野秀明の追悼コメントがスタジオカラーのXアカウントにて発表されています。

「マグマ大使の印象的な効果音からの大ファンだった、柏原満さんが御逝去されました。

色々と準備していた柏原さん関連の企画がようやく形に出来そうな時期になったのに、間に合わず。。。誠に残念でなりません。

柏原さんと初めてお会いしたのは、グループタックの田代さんの紹介で2006年10月だったかと思います。その時は改めて『ナディア』で主砲発射音を使わせて頂いた御礼や『ヤマト』のダビング現場のエピソード話等で田代さん共々三人で盛り上がり、それから定期的に仕事場に氷川さんと一緒にお邪魔させて頂く機会を頂く感じになりました。
御体調を崩されてから、顔を出すのを遠慮していましたが、石黒昇さんの時と同様に「行っておけばよかった」と後悔しています。重ねて、残念です。

柏原さん達が僕たちに感じさせてくれた「絵だけではない映像の音の素晴らしさと面白さ」を自分もなるべく引き継ぎ、遺したいと思います。笑顔で熱く語られていたMONAURALとSTEREOと5.1CHの音に対する考え方は、今も肝に銘じております。

故人に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
御冥福をお祈り致します。

アニメ・特撮の効果音大ファン 庵野秀明」