ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)の
トレント・レズナー(Trent Reznor)は近年、映画音楽を活動の軸としていますが、それは音楽界への幻滅も理由にあるようです。IndieWireの新しいインタビューの中で、映画作曲家として活動する理由を語ると共に、「音楽界の文化は最悪だ」とも語っています。
レズナーは、ナイン・インチ・ネイルズの枠組みを離れて、自分が映画作曲家として活動する理由について、こう話しています。
「自分たちがすべてをコントロールできないものに奉仕する仕事だから。“どうやって売り出すのか?”とかそういう重荷を負うことなく、監督や少人数のチームと緊密に協力して、集団的なビジョンを実現しようと努力して、それを叶えようとしている。
俺たちが映画に求めているのは、興味深い人々との共同作業の体験なんだ。俺たちは必ずしも音楽の世界からそれを得ているわけではない。
(音楽の世界への幻滅について言っていましたが?)
そう、音楽の世界の文化は最悪だ。
テクノロジーが音楽ビジネスを混乱させたこと、つまり音楽の聴き方だけでなく、音楽に対する価値観を変えたことは、音楽の価値を台無しにした。雲に向かって怒鳴る老人(※“些細なことで不満を述べる人”の慣用的表現)として言っているのではない。音楽が中心であった場所で育った音楽愛好家としてそう言っているんだ。音楽は今、バックグラウンドで流れるもの、あるいは何か他のことをしているときに流れるものという位置づけに追いやられているように感じる。これは長い苦い話なんだ」