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アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン、36年前に英国の子供向けテレビ番組で手袋人形とドラムバトルを行った理由を語る

2024/12/06 19:07掲載
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The Sooty Show - Nicko McBrain & Sweep
The Sooty Show - Nicko McBrain & Sweep
アイアン・メイデン(Iron Maiden)のドラマー、ニコ・マクブレイン(Nicko McBrain)は36年前、英国の子供向けテレビ番組で、手袋人形と壮絶なドラムバトルを行いました。出演の経緯をMusicRadarのインタビューの中で振り返っています。

ニコが出演したのは、人形師のマシュー・コーベットが司会を務めた長寿番組『スーティ・ショー(The Sooty Show)』。黄色いクマのスーティと灰色の犬の親友スウィープの冒険を題材にした番組です。ニコの出演は彼の当時5歳の息子がスーティの大ファンだったので実現したようです。

時は1988年。アイアン・メイデンは英国の<モンスター・オブ・ロック・フェスティバル>のヘッドライナーを務め、彼らのアルバム『Seventh Son Of a Seventh Son』は大ヒットしました。

この年、ニコ宛に、バンドのマネージャーであるロッド・スモールウッドから思いがけない電話がかかってきました。

「ロッドから電話があって“ITVで『スーティ・ショー(The Sooty Show)』をやっているマシュー・コーベットからのリクエストがあって、君に出演依頼が来ているんだ”と言った。俺はロッドに“いいの?”と尋ねた。ロッドはいつも“あれはダメだ、それはダメだ”と少し横柄な態度を取っていたからね。“外出時にスーツを着るな”とか、そんなくだらないことも言っていた。でも今回ロッドは“よく考えろ!”と言っていた。

1988年のことで、俺の息子は5歳だった。ロッドは“息子のことを考えてみろよ。息子が友達に自慢できるようになるぞ”と言うので、俺は“わかった。ギャラは出るの?”と聞いた。たしか、200ポンドくらいだと言っていたと思う。俺は“慈善団体に寄付しよう”と言った。

それから俺は息子を連れてスタジオに行った。でも、それは大きな間違いだった。

マシューに会ったとき、彼は“番組に出演してくれてありがとう。こういう流れなんだ。タレントコンテストがあって、君は街にいて、スーティとスイープのバンドにドラマーが必要なんだ”と言っていた。

マシューは“素晴らしいことになるよ!”と言って、彼は台本がどうなっているか教えてくれた。話をしていると、彼は“これは言わないといけないんだけど、手袋人形の尻に手を突っ込むことで、僕はメシを食っていけるんだ”と言っていた。俺はただただ笑い転げていた。

番組に参加していると、番組のために特別に作られた美しいおもちゃが置いてあるさまざまなステージがあった。息子がそのおもちゃで遊んでいて、いろんな音を立てていた。“ウーウー”とかね。

ディレクターがやって来て、“なんだこの音は?もう一度撮り直しだ!”と言い出した。するとマシューが“ニコの息子です”と伝えた。監督はご機嫌斜めだったので、俺は息子を連れ出しんだけどが、もちろん泣き出してしまった。息子はひどく動揺していた。そうしていると番組のスタッフの女の子がやって来て、息子を食堂に連れて行き、撮影が終わったらおもちゃで遊んでいいよと言ってくれたんだ」

番組の出演の影響はその後も続いたという。1988年11月にアイアン・メイデンがスコットランドで英国ツアーを開始した際、彼はそれを知りました。

「ステージに出る前から観客の声が聞こえていた。スコットランド人たちは皆、“メイデン!メイデン!”と叫ぶ代わりに“スーティ!スーティ!”と叫んでいた。そして、俺たちがステージに出ると、ステージに何百もの人形が投げ込まれたんだ!

俺は思ったよ。“番組が放送された午後3時半は、みんな仕事をしているはずなのに、なぜみんな見ているんだ?”とね。それが始まりだった。俺は思った。“よし、これからはスーティをドラムセットに加えなくては!”とね」

番組映像あり