ピンク・フロイド(Pink Floyd)は1974年録音の未発表ライヴ・アルバム13タイトルをストリーミング・サービス限定でリリースしました。YouTubeほかで聴けます。
バンドからの公式発表はありませんが、近年、ロック界では毎年12月の恒例行事となっている著作権保護期間を延長させるための処置としてリリースされたようです。
ヨーロッパでは、著作権所有者によって正式にリリースされていない場合、録音物が作成されてから50年後にパブリックドメイン(著作権の保護期間が終了した著作物)になることが法律で定められています。これは「Use it or lose it」と呼ばれています。
EUは2011年に音楽著作権の保護期間を録音後50年から70年に延長するルールを採用しましたが、著作権保護を継続して受けるためには、録音から50年以内にリリースしていなければなりません。50年経過してもリリースされていない録音は保護の延長の対象外(=パブリックドメイン)となります。
これまでビーチボーイズ、ビートルズ、ボブ・ディランなどが著作権保護期間を延長させるための処置として、このような50周年記念コレクションを限定リリースしています。ストリーミング・サービスで公開するアーティストもいれば、限定的なフィジカル・リリースを選ぶアーティストもいます。
ピンク・フロイドも2021年に1970年~1972年録音の未発表ライヴ・アルバム12タイトルを、2022年に日本公演も含む1972年録音の未発表ライヴ・アルバム19タイトルほかをストリーミング・サービスで限定公開しました。これも著作権保護期間を延長させるための処置だったと言われています。
2021年版も2022年版も期間限定公開でしたので、今回の作品も同様に期間限定公開だと思われます。
■Live At Théâtre de Plein Air, Colmar, France, 22 June 1974
■Live At Palais De Sports, Paris, France, 24 June 1974
■Live At Usher Hall, Edinburgh, UK, 4 November 1974
■Live At Usher Hall, Edinburgh, UK, 5 November 1974
■Live At Odeon, Newcastle-upon-Tyne, UK, 9 November 1974
■Live At Empire Pool, Wembley, London, UK, 15 November 1974
■Live at Empire Pool, Wembley, London, UK, 16 November 1974
■Live at Empire Pool, Wembley, London, UK, 17 November 1974
■Live at Trentham Gardens, Stoke-On-Trent, UK, 19 Nov 1974
■Live At The Empire Theatre, Liverpool, UK, 29 November 1974
■Live at Palace Theatre, Manchester, UK, 9 Dec 1974
■Live At The Hippodrome, Bristol, UK, 13 December 1974
■Live At The Hippodrome, Bristol, UK, 14 December 1974