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“頭にこびりついて離れない音楽”を消すために特別に作られた40秒間のオーディオトラック 米国の公共ラジオ局が特集

2024/12/01 20:43掲載
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listening to music
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聴いたことがある曲の一部分が頭の中で何度も繰り返される、“音楽が頭にこびりついて離れない”現象(イヤーワーム/ディラン効果)。音楽心理学者とオーディオエンジニアが協力して科学的に設計された“頭にこびりついて離れない音楽”を消すために特別に作られた40秒間のオーディオトラック「The Earworm Eraser」を知っていますか? 米国の公共ラジオ局NPRが特集しています。

12月に入り、ホリデー/クリスマス・シーズンの定番曲がさまざまな場所で流れる季節となりました。NPRは「クリスマスに欲しいのは...この曲を頭から追い出す手助け」と題して、「The Earworm Eraser」を特集しています。

「The Earworm Eraser」は、頭の中で何度も何度も繰り返し再生されて、なかなか消えない曲、いわゆる“頭にこびりついて離れない音楽”を消すために特別に作られた40秒間のオーディオトラックです。手がけたのは英ダラム大学の音楽心理学准教授のケリー・ジャクボフスキーで、ソフトウェア会社のオーディオエンジニアと協力して作成しました。

NPRに取材に応じたジャクボフスキー准教授は「頭にこびりついて離れない音楽を追い払うのに非常に効果的な方法の一つは、他の音楽を聴くことです」と話しています。

しかし、代わりに選んだ曲が同じように印象的であれば、また別の厄介なイヤーワームを発生させる可能性があります。そこで「The Earworm Eraser」は、一般的に曲をキャッチーにする特徴を避けています。ジャクボフスキー准教授はこう続けています。

「私の研究では、よりダンサブルなテンポの曲が、頭にこびりついて離れない傾向にあることが示されています。また、全体的なメロディの形が予測できる曲も、頭にこびりついて離れない曲になる可能性があることも分かっています」

そのため「The Earworm Eraser」では、数秒ごとに速いテンポと遅いテンポが切り替わり、拍子や音楽スタイルも、エレクトロニカからクラシックまで、さまざまに変化します。

「The Earworm Eraser」は2023年に公開されて以来、YouTubeで10万回以上の再生回数を記録しています。もちろん、全ての人に効果があるわけでないので、YouTubeのコメント欄には、役に立たなかったという人もいます。しかし、ほとんどの人は効果があると述べています。

NPRはその一例として、フィラデルフィア在住の技術者ローラ・エトリンガーを紹介しています。彼女の1歳の姪は「Baby Shark」に夢中で、何度も何度も聴いていたため、彼女は頭にこびりついて離れなくなったという。彼女は当初、テイラー・スウィフトなどお気に入りのアーティストの曲を聴いてみましたが、効果が出ず。その後、「The Earworm Eraser」を試したところ、最も効果的に消し去ってくれたと語っています。

■「The Earworm Eraser」