Band Aid - Do They Know It's Christmas? - 2024 Ultimate Mix
全英トップ・ミュージシャンたちが参加したチャリティー・プロジェクト、バンド・エイドの「Do They Know It's Christmas?」(1984年)。40周年を記念して、同曲の新ヴァージョン「2024アルティメット・ミックス」がリリース。YouTubeほかで聴けます。プロデュースを務めたのは
トレヴァー・ホーン(Trevor Horn)。11月29日にはCDやアナログレコードも発売されます。
以下インフォメーションより
ボブ・ゲルドフ、ミッジ・ユーロ、トレヴァー・ホーンは本日、バンド・エイドの40周年を記念して発売される作品と、新たに製作された「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」の”2024アルティメット・ミックス”、そしてそれに併せて発表される映像作品の詳細を発表した。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」の最新ヴァージョンは、オリジナル版のレコーディングからちょうど40周年を迎える2024年11月25日の朝に、ラジオ番組を通してイギリス全土で初放送される予定。さらには放送と同時に、すべての音楽配信サービスでストリーミング配信が開始される。「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)」と題されたこのヴァージョンは11月29日にリリースされる予定で、デジタル音源としてダウンロード購入できるほか、1CDと12インチのアナログ盤で発売されるバンド・エイドの5曲入り作品に収録される。日本盤としては1CDが発売される。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」はこれまで三度、三世代にわたり録音されてきた――一度目はバンド・エイド(1984年)、二度目はバンド・エイド20(2004年)、三度目はバンド・エイド30(2014年)である。ささやかなクリスマスのポップ・ソングとして作られたこの楽曲は、ポピュラー音楽史に残る偉大なイベントの開催に繋がった。そして、過去40年余りの英国ロック史を代表する才能が集結した「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」は最終的に、その明確な目標の実現に向けて当時の政府を巻き込むことにも成功したのである。このたびプロデューサーを務めたトレヴァー・ホーンは、時代を超えて”変化をもたらす一曲”であり続けている同曲の40周年を祝してそれら三つのヴァージョンをすべて使用し、驚くべき音楽制作技術で各世代のすべての歌声を調和させ、継ぎ目のない一つの楽曲に仕立てた。
11月25日に一斉公開される「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)」では、若かりし頃のスティングと若きエド・シーランの歌声が一つになって聴こえてくる。同様に、若いころのボーイ・ジョージと若きサム・スミスの、若いころのジョージ・マイケルと若きハリー・スタイルズの歌声が合わさるのだ。さらには若い頃のボノと歳を重ねた後のボノ、クリス・マーティンとガイ・ガーヴェイ、シュガーベイブスとバナナラマ、シールとシネイド・オコナー、リタ・オラとロビー・ウィリアムス、クール&ザ・ギャングとアンダーワールドの”共演”も楽しめる。そしてそれらのヴォーカルを支えるのは、ベースのポール・マッカートニー、スティング、ジョン・テイラー、ドラムのフィル・コリンズ、ロジャー・テイラー、ダニー・ゴフィー、ピアノのトム・ヨーク、ギターのポール・ウェラー、デーモン・アルバーン、ミッジ・ユーロ、ジョニー・グリーンウッド、ゲイリー・ケンプ、ジャスティン・ホーキンスらで構成されるバンド・エイドのハウスバンドによる演奏である。
トレヴァーは音楽面、プロデュース面での並外れた偉業を成し遂げ、”世界を変えた一曲”を再構築してみせたが、それ以上に重要なのは彼が1984年当時の精神まで現代に蘇らせたことだ。それはつまり、1984年11月下旬の日曜の朝早くにノッティング・ヒルの通りをぶらぶら歩いたり、疲れ気味に車からよろよろと降りてきたりする若くてあどけないポップ・スターたちを、かの偉大なデヴィッド・ボウイが紹介する場面をもう一度目にすること――数十年にわたる苦闘のきっかけとなった、伝説的なマイケル・バークによるBBCのニュース・リポートに耳を傾けること――怒鳴りつけられたり、説教されたり、頭を叩かれたりすることなく、当時何が起こっていたのか、なぜ起こっていたのか、そして何か重大なことが始まろうとしていたことを理解することである。
音声だけでも人の心を動かすことができるこの楽曲を映像に落とし込む、という試みを任されたのは映像作家のオリヴァー・マレーだ。彼はトレヴァーが丹精を込めて作り上げた素晴らしい作品をビデオによって視覚化することで、その不可能を可能にしてみせた。昨年、全英1位に輝いたザ・ビートルズの最新シングルに付随する感動的なショート・フィルムを監督して脚光を浴びたマレーは、この”2024 アルティメット・ミックス”でも魔法のような手腕を発揮する任務を負ったのである。なお、このビデオも11月25日に公開される予定で、放送の詳細は近日中に発表予定となっている。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」は英国のロック音楽の集大成であると同時に、図らずも同国の視覚芸術に幅広く影響を与える楽曲になった。1984年以来、バンド・エイドの作品はピーター・ブレイク、トレイシー・エミン、ダミアン・ハースト、マット・メイトランドがそれぞれ手がけたオリジナルのアートワークに彩られてきたのだ。
最初のバンド・エイドの結成時にユニークなジャケットをデザインするよう依頼されたサー・ピーター・ブレイクは、クリスマス・カードの典型的なモチーフに、飢餓に苦しむ子どもたちの写真を組み合わせることで新たな傑作を生み出した。そしてそこには、楽曲の根幹にあるテーマが見事に表現されていた――つまり、家族と一緒に特権を享受できるほど幸福で裕福な私たちの世界と、恐怖と飢え以外何もない、不必要なほど悲惨な世界がそこには対比されていたのだ。すべての人々を共感の渦に巻き込むため、自身の代表作となっている一枚の写真をピーターの作品に提供したのは、象徴的な写真家として知られるデヴィッド・ベイリーだった。
ピーターは現在93歳になったが、歴史に深く刻まれるこの楽曲の40周年を祝うべく、もう一度だけ再びバンド・エイドのチームに加わることとなった。彼は過去40年お間にわたりバンド・エイドの歴史を形作ってきた過去のアートワークを使用しながら、実に美しく、完璧に”的を射た”、名作と呼ぶに相応しい作品を作り上げたのである。このジャケットは、視覚的な思いやり、理解、寛容、そして英国アート界が誇る心穏やかな巨匠から滲み出る”人間性”に満ちている。
そのすべてがこの作品には詰まっている。重ねてきた年月のすべてが、この小さなプラスチック片に詰め込まれているのだ。それより小さいものを好むなら、デジタル化された”暗号”を選ぶのもいい。それらの暗号は解かれていようが解かれていまいが、各世代を代表する驚くべき英国の名ミュージシャンたちの物語を伝えているだけでなく、この曲が初めて発表された時代への痛烈な批判として現在も存在し続けている。80年代当時は”欲張るのは良いことだ”とされていた。だが、この曲はそれに異を唱えている。それどころか、欲張りは愚かだと歌っている。”社会などというものは存在しない”というのは当時の有名な言葉だ。だが、本当にそうだろうか? 有名アーティストが集結して作り上げたこの楽曲がイギリスで発表されたときには、全国民が立ち上がったように思えた。国民たちはこの曲を買い求めるために英国各地の都市や町や村の大通り、あるいは路地にどこまでも続く列を作ることで、その姿勢を示したのだ。そして人々は、この曲が何度も伝えているメッセージ――”きみの部屋の窓の外には別の世界がある/不安と恐怖に満ちた世界がある……クリスマスにはこの世界に愛を届けよう”――を受け取ったのである。
今年もまた、同じ状況を作ろうではないか。
11月29日にリリース予定の「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)」は、デジタル音源として購入できるほか、1CDと12インチのアナログ盤で発売されるバンド・エイドの5曲入り作品にも収録される。
このシングルの売上からレコード会社が得たすべての収益は、国ごとにチャリティ団体が認めた費用を差し引いた上で、法人番号05136974のバンド・エイド・トレーディング・リミテッド(公認チャリティ団体であるバンド・エイド・チャリタブル・トラスト [292199] が所有)に寄付されます。英国においては、同シングルのアナログ盤での売上からは一枚あたり最低5ポンド、CDでの売上からは一枚あたり最低1.50ポンド、デジタル・ダウンロード・シングルの売上からは一回あたり最低50ペンスがチャリティ団体に寄付されます。
■「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)」
発売日 2024/11/29(金)
品番:UICY-16267 価格:2,200円税込
<収録曲>
★曲目リスト★
CD
1. バンド・エイド/ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(1984ヴァージョン)
2. バンド・エイド 20/ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2004ヴァージョン)
3. バンド・エイド 30/ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2014ヴァージョン)
4. バンド・エイド/ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(2024アルティメット・ミックス)
5. バンド・エイド/ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(ライヴ・エイド・フィナーレ ウェンブリー・スタジアム1985)