Band Aid / Do They Know It's Christmas?
全英トップ・ミュージシャンたちが参加したチャリティー・プロジェクト、バンド・エイドの「Do They Know It's Christmas?」(1984年)。長年にわたり、その歌詞については批判もあり、最近ではエド・シーランが40周年を記念した新ヴァージョンに自身のヴォーカルを再利用されたのは不本意で、もし選択権があったなら断っていたとの声明を発表しました(詳しくは
こちら)。この曲を書いた
ボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)と
ミッジ・ユーロ(Midge Ure)は、英サンデー・タイム紙の取材に応じ、この曲に対する批判について改めてコメントしています。
このチャリティーシングルは、1984年にエチオピアで起こった飢餓を受けて制作されました。しかし、長年にわたり、この曲の歌詞は、アフリカを西洋諸国の介入によって救済されるべき不毛の地として描写しているとして批判されてきました。
ゲルドフは同紙にこう話しています。
「この小さなポップソングが何百万人もの人々の命を救ってきた。
なぜ、バンドエイドが、私たちの支援を必要としている何千人もの子供たちへの食糧援助をやめなくてはいけないのか?」
ゲルドフは、医療から教育に至るまで、さまざまな取り組みに1億4000万ポンド(270億円)以上を集めたバンド・エイド・チャリタブル・トラストの活動について説明した後、次のように続けました。
「なぜそれを続けないのか? 正当性に関係なく、その抽象的な富裕層の議論が理由になるのか?
どんなに誠実な気持ちからであろうとも、抽象的な理論が、あの恐ろしい、具体的な現実世界を妨げたり、逸らしたりしてはならない。
世界には6億人の飢えている人々がいる。そのうち3億人はアフリカいる。私たちは、そうでないことを望んでいるが、そうではない。私たちは、その一部の人々を助けることができる。それが私たちが継続して行うことだ。
(ゲルドフは今日の争いの絶えない世界では“人々は出来事をコントロールする能力を失ってしまった”と述べるが、バンドエイドの活動に関しては)
皆さんの個人的な行動が、その夜、子供が食事をし暖かく眠れることを保証します。これは皆さんが力を発揮できることのひとつだ。ほんの少し世界を動かすことができる。
僕は分かっているよ。“ゲルドフがまたうるさく騒いでいる”と。でも、このコントロールの手段は、ありきたりな表現だが、この曲なんだ」
共同制作者のミッジ・ユーロもサンデー・タイム紙の取材に応じ、この曲は「素晴らしい曲ではない」と認めたが、ゲルドフのメッセージを批判する人々に対しては次のように反論しています。
「世の中にはキーボード戦士がたくさんいて、彼らが辛辣なコメントを書くのにかかる時間の間に、子供が一人死んでいる。彼らは口先だけで、私たちは実際に行動を起こしている。
あの日曜日の朝、すべてのスターたちは二日酔いで現れたが、彼らは理由があってそこにいた。ボブを恐れていただけかもしれないが」