80年代は歌詞は共同作業だったこと、なぜヘヴィメタル姿で「The Touched by the Hand of God」のミュージックビデオを撮影したのか、シングルにすべきだったアルバム曲は? 1stアルバム『Movement』を再評価した理由、ニュー・オーダーは何か新しいことに取り組んでいるのか?などについて語っています。
「うん、その通りだよ。80年代の歌詞はみんなで協力して書いていた。『Brotherhood』の時は、リバプールのAmazonスタジオに行った。僕たちのスタジオの廊下の向こう側の別のスタジオにはエコー&ザ・バニーメンがいた。彼らは僕たちのスタジオに入ってきて、僕たちが“6月(June)と韻を踏む言葉で月(Moon)以外に何がある?と話しているのを見て驚いていた。イアン・マッカロクは“歌詞をみんなで書くのか?”と言っていたので、僕は“うん、君もそうだろう?”と言ったよ。彼らは僕たちのひどい走り書きに驚きつつも、かなり面白がっていた。ええ、でも、本当に困っているときは何だっていいんだ。文字通り青天の霹靂。“Bizarre Love Triangle”は、僕たちの良い成果のひとつだったと思う。 集団的な歌詞の書き方だった。酔っ払っているときはやめた方がいいよ!」
Q:「Every Little Counts」の「お前は豚だ、動物園にでも行ってろ」という歌詞は、酔っ払ってマイクを握って歌ったものだったんですか?
Q:「Bizarre Love Triangle」に戻りますが、これはニュー・オーダーの最も有名なシングルの1つであり、おそらく最高のビデオだと思います。
「うん。あれは良かったよ。僕らのビデオの中でもかなり良い方だ。とてもアメリカ的。“Bizarre Love Triangle”は絶対に大ヒットすると思った。アメリカではヒットしたけど、こっち(イギリス)では“何か間違ってるんじゃないか?”って感じだった。今ではライヴで演奏するとみんな狂ったように盛り上がる。あの時何が起こったのか分からない。おそらく、メディアが僕たちを中傷したか何かしたんだろう。アメリカには感謝している。向こうではうまくいったし、ビデオもね」
Q:ミュージックビデオの監督には本当に恵まれていましたね。アカデミー賞の監督賞を受賞した監督が2人いる。ジョナサン・デミは「The Perfect Kis」を監督し、キャスリン・ビグローは「Touched by the Hand of God」を監督した。
「僕たちが彼らにステータスを与えたと思いたいね。ジョナサン・デミは懐かしいね。彼は本当に素晴らしかった。ボックスセットに入っていた“Bizarre Love Triangle”のヴァージョンは、彼の映画『愛されちゃって、マフィア(原題:Married to the Mob)』に使われたんだけど、それも見つけられなかったオリジナルテープの一つだった。『愛されちゃって、マフィア』のサウンドトラックはどこかにあるはずなんだけど、それがどこにあるのかは神のみぞ知るだね」
Q:「The Touched by the Hand of God」のビデオ撮影について、何か覚えていることはありますか? (質問を終える前にスティーヴンが笑い出す)
「あれは面白かった。本当に面白かった。僕らはアメリカに何度も行っていたし、MTVもたくさん見ていた。MTVが“Bizarre Love Triangle”を放送しなかったことに腹を立てていたけど、流してくれることを期待していつも見ていた。でも、いつも目にするのはホワイトスネイクとか、ポイズンとか、少し女性嫌悪的な雰囲気な、ふわふわしたヘアーメタルバンドばかりだったので、“自分たちもそんなビデオを作ったら面白いんじゃないか?そうすれば、ぴったりだからMTVでも放送されるはずだ”と思ったんだよ。キャスリンは、そのアイデアにかなり戸惑っていた。“ヘヴィメタルのビデオなんてどうやって作ればいいのかわからない”という感じだった。僕たちはMTVをつけて、“これを見たことがない?こんな感じで”と言ったんだよ。振付師はいた。振り付け師と衣装デザイナーがチータムヒルのリハーサルルームに来て、僕たちをドレスアップさせた。僕たちは皆、全く違う見た目になったけど、フッキーだけはほとんど同じように見えた。ただウィッグをかぶっていただけだった。
「ライヴでやりたいけど、実現しない曲のリストは、腕の長さほどもあるよ。例えば“Way of Life”は良い曲だね。今朝、ジリアンとちょうどその話をしていたところだよ。『Power, Corruption & Lies』収録の“Leave Me Alone”もね。あれはやるといい曲なんだ。他にもたくさんある。“Everything’s Gone Green”。なぜあの曲を演奏しないんだ?あれは楽しい曲なのに。“Everything’s Gone GreenやThieves Like Usをなんで演奏しないんだ?”と聞かれることが何度あったことか」