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イエス「Dare to Know」は自分の曲を盗用したものだと主張するミュージシャン、スティーヴ・ハウとジョン・デイヴィソンを相手に訴訟を起こす

2024/11/15 17:16掲載
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YES Photo by Gottlieb Bros
YES Photo by Gottlieb Bros
イエス(Yes)の2021年アルバム『The Quest』に収録されている「Dare to Know」は、自分が書いた曲「Reunion」の一部を盗用したものだと主張しているミュージシャンが、イエスのスティーヴ・ハウ(Steve Howe)ジョン・デイヴィソン(Jon Davison)を相手に訴訟を起こしました。イエスの広報担当者は「妄想的なゴミだ」と批判し、徹底的に争うつもりだと述べています。

米ローリング・ストーン誌は裁判所に提出された訴状を入手。それによると、訴えているのは、プログレッシブ・ロック・ミュージシャンのリズ・ストーリー(本名ルドルフ・ザーラー)。

ストーリーとデイヴィソンは1990年代にフー・ファイターズのドラマー、故テイラー・ホーキンスを通じて知り合って以来、2人は何年にもわたって断続的に一緒に仕事をしてきたため、ストーリーはデイヴィソンは自身の作品に精通していると主張しています。ストーリー、デイヴィソン、ホーキンスの3人は90年代に一緒にバンドを組んでいたこともあったという。

ストーリーによると、彼はデイヴィソンがイエスのオーディションを受けるのを手伝ったり、デイヴィソンからイエスの曲を共同で書いてほしいと頼まれたこともあったという。また最終的には実現しませんでしたが、イエスのアルバムのプロデューサーとして売り込んだこともあったとのこと。

彼の曲「Reunion」は2012年録音。リリースはされておらず、同年の映画『A Winter Rose』のサウンドトラックに使われたことがあるという。デイヴィソンは「Reunion」を知っており、彼をその出来を褒めたとストーリーは主張しています。

訴状には「デイヴィソン氏は、ザーラー氏の許可を得るのではなく、ザーラー氏の楽曲“Reunion”をアルバムのために“盗む”ことを決めた」と書かれており、デイヴィソンが「Reunion」をハウに持ち込んだと主張。そして2人は「曲に歌詞を追加し、“Dare to Know”という名前をつけ、ハウ氏に単独のソングライティングのクレジットを与えることに決めた」とも主張。また2人はデイヴィソンの名前をクレジットから外すことで、著作権侵害を隠すために「共謀」したとも主張しています。

訴状には専門家の証言として「この2曲のピッチの類似性は96%であり、これは極めて高いものです。両曲がこれほど強いメロディとリズムの類似性を特徴とし、さらに同じ特徴的な和声のシーケンスを使用しているという事実は、偶然だけでは起こり得ない非常に強い類似性を生み出している」とも書かれています。

ストーリーの広報担当者はローリングストーン誌の取材に対して、「幼少期の音楽的アイドルの一人であるスティーヴ・ハウと、生涯の友人であるジョン・デイヴィソンを訴えざるを得なくなり、リズ・ストーリーは心を痛めています。しかし、彼らは彼に他の選択肢を残しませんでした。ストーリー氏は、このような困難な状況においても、法制度が正義をもたらすことを信じています」と語っています。

イエスの広報担当者はUltimate Classic Rockの取材に対し、「これは復讐的で、中傷的で、妄想的なゴミです。徹底的に争うつもりです」と語っています。

なお、同じ『The Quest』に収録された「The Ice Bridge」も以前に著作権侵害で訴えられました。これについてはジェフ・ダウンズは「誤って自分のライブラリの作品の一つだと思いこんでいた」と述べ、イギリスの作曲家フランシス・モンクマンの「Dawn of an Era」から「引用」したものであると認めています。