ミュージシャンが楽曲の制作だけでなく、配信や自主リリースまで簡単に行えるようになったことで、ここ数十年で世界に送り出される音楽の数は大幅に増加しました。英MusicRadarの特集によると、「現在では、1日にリリースされる音楽の数は、1989年の1年間にリリースされた音楽の数を上回っている」という。つまり、少し前の時代に1年間にリリースされた新曲の数よりも、現在は1日でリリースされる新曲の数の方が多いのだという。
これは、元Spotifyのチーフエコノミストで、現在は英国の音楽著作権団体PRS for Musicのエコノミストであるウィル・ページの発言です。ページは続けて、「その音楽の多くはアーティスト自身によって制作されており、音楽制作ソフトウェアの需要はさらに高まっています」とも述べています。
ビジネスアナリストのMiDiAの調査結果もこれを裏付けています。MiDiAが最近発表した「音楽クリエイター経済レポート」によると、2022年の音楽クリエイターの総数は約7590万人で、前年に比べて12%増加していることがわかりました。
アナリストは、その数は2030年までに1億9,820万人にまで増加すると予測しています。その要因の一つとして、アナリストは「コンシューマー(消費者)クリエイター」と呼ばれる人々の増加を挙げています。アナリストはブログ投稿で「コンシューマー・クリエイターは、写真(Instagram)や動画(TikTok)の世界を変えました。次は音楽でしょう」と予測しています。
このレポートでは、この拡大は「カジュアルな音楽クリエイター」と呼ばれる人々によって牽引されるだろうと予測しています。「カジュアルな音楽制作が主流になるだけでなく、音楽クリエイターの経済ファネルが、これまでにないほど広がるきっかけとなるでしょう」と書いています。