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「4人目のストレイ・キャッツ」トミー・バーンズ 加入の経緯について語る

2024/11/14 17:21掲載
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Stray Cats with Tommy Byrnes
Stray Cats with Tommy Byrnes
ストレイ・キャッツ(Stray Cats)が1984年に一旦活動を停止する直前にバンドに加わった「4人目のストレイ・キャッツ」ことトミー・バーンズ。加入の経緯について、クリストファー・マキットリックの新しいストレイ・キャッツ本『Howling to the Moonlight on a Hot Summer Night: The Tale of the Stray Cats』で語っています。Ultimate Classic Rockではその抜粋が公開されています。

現在ではビリー・ジョエルのバンドのギタリストとして知られるトミー・バーンズは、10代の頃から、ストレイ・キャッツの3人と同じロングアイランドのクラブで演奏していました。彼は1980年代初頭、地元の人気バンドであるBMT’sで、チャック・ベリー、エルヴィス・プレスリー、ファッツ・ドミノの1950年代の楽曲など、さまざまな音楽を演奏していました。

バーンズは、ストレイ・キャッツが頻繁にロングアイランドで行っていた会場の一つ、TK’sプレイスで彼らのパフォーマンスを初めて観ました。

「俺はまだ19歳だった。彼らの演奏を見て“なんだこれは!”と思ったのを覚えているよ。彼らはステージを所狭しと動き回っていた。まるでサーカスのようだった。彼らはとても生き生きとしていて、これまでに見たことのない最高の動きをしていた。俺はすぐにファンになった。まるでアクロバットのショーのようだった。観るのも聴くのも楽しかったし、ブライアン、リー、ジムはロカビリーにかつてないレベルの音楽性をもたらしたんだ」

バーンズは公演後にバンドに会い、その後すぐにストレイ・キャッツの3人はロンドンに出発しました。

ストレイ・キャッツの最初の録音を聴いたバーンズは、彼らがそのサウンドとエネルギーをレコードにうまく記録することができたことに感銘を受けたという。

「俺はビル・ヘイリーのレコードが当時の最高のサウンドだと思っていた。でも、初めて“Runaway Boys”の録音を聴いて“これだ!”と叫んだんだ。デイヴ・エドモンズはバンドと完全に息が合っていた」

バーンズは、ストレイ・キャッツがロンドンでの初期の成功の後にアメリカに戻ったことを思い出しています。おそらく1980年12月か1981年1月の頃です。

「ブライアンが帰郷したのでパーティーを開いたんだ。バンド全員が集まったパーティーではなかったと思う。僕らはそのパーティーのバンドだった。ブライアンがやって来て、俺らがそこにいるのを見て、ある人が家に帰ってギターとアンプを持って来てくれた。それが俺らが一緒に演奏した初めての機会だったんだ。

ブライアンと俺はすぐに仲良くなり、彼が地元のヘックルズにやって来る時は一緒にジャムセッションをするようになった。彼はデイヴ・エドモンズのような人を連れて来て、2人でヘックルズでジャムっていた。俺は彼と一緒に過ごし、彼の家に行ってギターを弾いたりしていた」

セッツァーと親しくなったとはいえ、ストレイ・キャッツの加入のオファーはまったく予期せぬものだったと認めています。

ストレイ・キャッツ加入直前のバーンズは、ニューヨーク州北部を拠点とするグループ、ベルクロスで演奏しており、1984年にはヴァン・ヘイレンのツアーでオープニング・アクトを務めました。ベルクロスは1982年にストレイ・キャッツのオープニング・アクトも務めています。

バーンズはオファーについてこう振り返っています。

「ある日、当時オールド・ウェストベリーに住んでいたブライアンの家に行き、音楽室に入ると、彼はストレイ・キャッツの曲を弾き始めた。彼は“俺がこれを弾いたら、君は何を弾く?”と言ったので、俺は彼と一緒に演奏し始め、“Stray Cat Strut”のコードの異なるヴァージョンや、他の曲も演奏した。すると彼は“いいね、バンドに参加しないか?”と言った。俺は“えっ?”という感じだったんだけど、彼は“君も知っての通り、トリオでバンドを長い間やってきたが、それに新たな次元を加えたいと思っているんだ”と言った。俺は“ぜひ!”と答えた。俺は大ファンだったし、ブライアンは俺が実際に会った最初のギター・ヒーローのような存在だったから」

バーンズはセッツァーと一緒にリハーサルを始め、セッツァーがストレイ・キャッツに影響を与えたミュージシャンについて多くを教えてくれたことを振り返っています。

「エルヴィス、リトル・リチャード、チャック・ベリー、ジーン・ヴィンセントは知っていたけど、ジーンのギタリストだったクリフ・ギャラップは知らなかったし、エルヴィスのギター奏者だったスコッティ・ムーアのことも知らなかった。ジミ・ヘンドリックスが誰なのかは知っていたけど、彼の曲がなぜそんなに素晴らしいのか、その理由は知らなかったんだ」

バーンズはバンドの初期の活動期間の終わりに、2ヶ月間ほど、20数回のライヴに参加したのみという短い在籍でしたが、バーンズの「4人目のストレイ・キャッツ」としての役割は、グループに視覚的にも音響的にも新しい活力をもたらしました。彼はバンドの正式なメンバーとして発表されたことはありませんが、他のバンドメンバーと一緒にポーズをとった写真が数枚残されています。