HOME > ニュース >

リック・ウェイクマン 「ジョン・エントウィッスル“My Generation”症候群」を例に「ソロとは即興で演奏されるべきもの」と語る

2024/11/14 16:01掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Rick Wakeman
Rick Wakeman
「ソロとは即興で演奏されるべきもの、つまりアドリブである。そのためレコーディングされ、その形が硬直化し厳密に定義されてしまうと、それはもはやソロではなくなってしまう」という考えを、イエス(Yes)等で知られるリック・ウェイクマン(Rick Wakeman)はリック・ビーアトの新しいインタビューの中で語る。「ジョン・エントウィッスル“My Generation”症候群」と呼ばれる現象を例に説明しています。

ウェイクマンによると、ザ・フー(The Who)のベーシストであるジョン・エントウィッスル(John Entwistle)は、ライヴで「My Generation」のソロを即興で演奏しようとするたびに、象徴的なソロを「間違って」演奏していると非難されることを不満に思っていたという。

「“My Generation”のベース・ソロは、ベースの歴史に残る名演奏のひとつだよ。でも、ジョンは人生の悩みの種だと言っていた。彼は“ソロだから”だと言っていた。

“スタジオに入ってソロを弾いた、それだけだ”と彼は言った。それが大ヒットした。彼はこう続けた。“それからツアーに出て演奏した。このパートになった時、ソロを演奏した”。すると、みんはが“間違って弾いた”と口々に言い出した。彼は“いや、間違っていない。ソロだ”と言ったが、彼らは“間違って演奏している。ちゃんと弾けていない”と言う。何度もそういうことがあったと彼は言っていた。

批評家たちでさえ、“ジョンがベースを少し間違って弾いたのは残念だ”と書いていた。それで彼は“ある日、もういいやと思った。ホテルでベースと小さなピグノーズアンプを持って座り、自分が何を弾いたのかを覚えた。それが唯一の方法だった”と言っていた。

ソロが実際にはパートになるのは興味深いよね。一部になるんだ。音楽の一部に。それは、もはやソロではない」

ウェイクマンはイエスの「Close to the Edge」でも同様のことが起こったと指摘し、最終的にエントウィッスルと同じことをすることにしたと話しています。

「“Close To The Edge”でそれを少しだけ経験したよ。覚えなきゃならなかった。まあ、それはそれでいいんだけど。こういうことは起こるものだけど、実際のところ、アルバムにソロなんてものは存在しないんだ。存在しない。その時のフィーリングだ。時間とともに固定されていくんだ」