イエス(Yes) 等で知られる
リック・ウェイクマン(Rick Wakeman) はリック・ビーアトの新しいインタビューの中で、イギリス女王エリザベス2世の母親であるエリザベス王太后(Queen Elizabeth The Queen Mother)との興味深い逸話を語っています。10代の頃に予期せぬ対面を果たし、それから何年も経ってから再会した時、王太后から公の場でからかわれたと語っています。
ウェイクマンが王太后と初めて会ったのは、1968年のある朝でした。彼は、弁護士からチェンバロの製作者に転身したトーマス・ゴフのロンドンの自宅にいました。ウェイクマンは当時、王立音楽大学に在学中で、大学の練習室でチェンバロを演奏しているのを聞いたゴフから自宅に招待されました。執事に迎えられたウェイクマンは、3台のチェンバロが置かれた部屋に通され、座って演奏するように言われました。
「11時頃になって執事がやって来て“ゴフ氏がもう一人のゲストとモーニングティーをするので、応接間に向いましょう”と言った。彼の応接間は僕が育った家よりも広かった。僕がそこに入ると、彼は“チェンバロはどうでしたか?”と尋ねたので、僕は“素晴らしいですね、ゴフさん、ありがとうございます”と答えました。すると彼は“さあ座って、お茶をどうぞ”と言いました。
巨大な長いテーブルの端に女性がいて『The Sporting Life』という競馬新聞を読んでいた。彼は“エリザベス、演奏を聴いたかい?”と言った。彼女は新聞を置いた...なんと王太后だったんだよ! 到着前に、用を足しておいて本当に良かった。彼女は“ええ、とても良かったわ”と言ってくれました」
その後、王太后は競馬について話し始め、その日のレースで勝つ可能性が高いと考えている馬について、ウェイクマンにアドバイスをくれたという。王太后はその馬に「2シリング」賭けてみることを提案しましたが、彼は当時貧乏学生だったので賭けをすることができなかったという。「お昼にポテトを買うのがやっとだった」と彼は振り返っています。
「この話には続きがあるんだ」と、ウェイクマンは王太后との話を続けます。舞台はイエスでの成功を収めていた70年代半ばに移ります。
この頃、ウェイクマンは競馬ジャーナリストと友人関係にあり、その人物がジョン・ウェバーという競馬調教師を紹介してくれました。ウェバーは、王太后がウィルトシャーにある自分の厩舎で1頭の若い馬を8,000ポンドで売りに出していると話しました。ウェイクマンとウェバーは、その馬を購入するためにウィルトシャーまで出かけました。すると、王太后が敷地内にいて、馬の新しいオーナーに会いたいと言っていると知らされます。
「王太后が出てきて、皆に挨拶をしていた。そして、僕のところに来たとき、男性が“こちらがこの馬を買った紳士です”と言い、さらにその男性は“ウェイクマン氏に会うのは初めてですよね?”と言ったので、僕は“実はお会いしたことがあります”と答えた。すると王太后は“本当ですか?教えてください!”と言いました」
ウェイクマンはトーマス・ゴフの家で会ったときのことを詳細に話しましたが、しかし、王太后は彼の目をまっすぐ見て首を横に振り、「まったく覚えていません」と答えました。ウェイクマンは動揺し、極度の恥ずかしさを感じたという。しかし…
「それから彼女はさらに2歩ほど歩き、戻ってきて、こう言ったんだ。“もちろん覚えているわよ。素晴らしかったし、あなたのこともよく覚えているわ。あれからあなたは立派に成功したのね!”。それから、僕たちは少し楽しいおしゃべりをしたんだ」
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