STING 3.0 TOUR - Photo credit: Carter B. Smith
スティング(Sting)は米ロサンゼルス・タイムズ紙の新しいインタビューの中で、3人組バンドの魅力について、「僕の先生の一人で、師の一人」だという
ポール・サイモン(Paul Simon)について、
ビリー・ジョエル(Billy Joel)との友情について、「誰かが僕の作品を引用したいとか言っているとき、僕が反対したことはない」というサンプリングについて、語っています。
■3人組バンドについて
Q:
ポリス(The Police)を辞めたときのことですが、
「僕はポリスを辞めたことはない」
Q:えーと
「辞めていない」
Q:ポリスを離れた時――
「ポリスを離れたわけじゃない」
Q:ポリスから一時休止した?なんて言えばいい?
「自分でもよくわからない。僕はただ曲を作っただけ。他の人たちがそうしてきたように。バンドをやっているよりも、それを楽しんでいた」
Q:当時の変化のひとつは、3ピースバンドの限界を超えて自分の音楽を広げたいということでしたね。
「そして、僕は(新たな3人組バンドを結成して)またここにいる」
Q:説明してほしい。
「僕のやり方は、常に驚きを与えること。次に何をやるのか、人々に完全に確信を持たせたくない。それが僕にとっての音楽の本質なんだ。この時点では誰もトリオを予想していなかった」
Q:トリオ編成のどんなところが好きですか?
「曲を骨組みだけまでそぎ落として、それでもなお、そのような削ぎ落としに耐えるだけの頑丈さがあるのが楽しい。曲がよりタフになり、よりクリアになる。楽器の間に空間ができるので、耳が少しリラックスできる。でも、すぐに急旋回もできる」
Q:この方法ではうまくいかないスティングの曲はありますか?
「驚くべきことに、すべてがうまくいく。“Every Little Thing She Does Is Magic”のような曲は、トリオではうまくいかないと思うかもしれないけど」
Q:それはポリスの曲だから、もちろんうまくいくはず。
■ビリー・ジョエルとの友情について
「ビリーとは長い付き合いなんだ。1980年以来ずっとね。彼がナッソー・コロシアムで僕らのライヴを見に来てくれた。一人で楽屋に入ってきて“やあ、ビリー・ジョエルです。大ファンなんだ”ってね。それから彼とピアノを囲んで一晩を過ごした。ビリーはギルバート&サリヴァンやベートーベン、ビートルズの曲を弾き始めた。彼は何でも弾ける。本当に素晴らしい人だ。僕はずっとずっと彼のことが大好きだった。彼は僕に尋ねた。“僕の大規模なツアーのオープニングをやってくれないか?”。僕は答えた。“そういうことはあまりやらないんだけど、でも、2つの条件付きでやるよ。1つは、あなたが紹介してくれること。そしてもう1つは、僕と一緒に歌を歌うこと”。それで、僕たちはまず彼と一緒に歌うセットから始めることにした。“Every Little Thing She Does Is Magic”を歌った。それから、彼と一緒にとてもジャジーな“Big Man on Mulberry Street”を歌った。彼は、この曲は僕を意識して書いたと言っていた。それが本当かどうかはわからない。でも、いい話なので、その話に水を差すのはやめておこう」
■師の一人ポール・サイモンについて
「ポールは僕の先生の一人で、師の一人。教養のあるソングライターになりたいという野心があるなら、彼こそが師事するべき人。“America”とかは傑作だ。アメリカを探すというのはかなり大きなテーマだよね(笑)。もし未熟な人がやっていたら、とんでもないことになっていただろう。でも彼はパイや雑誌、タバコから始めて、突然、壮大な曲の性質が明らかになる。天才的だよ。
(2014年のツアーで二人は“Brand New Day”と“The Boxer”を歌った)
僕の曲を歌ってくれるなんて、とても光栄なことだった。僕たちは多くの点でよく似ている。彼は僕よりも几帳面だけど、完璧を求める彼の姿勢は理解できる。彼の新しいアルバム『Seven Psalms』は大好きだ」
■サンプリング/カヴァーについて
Q:PinkとMarshmelloが昨年、あなたの曲「Fields of Gold」をリメイクしました。あなたの作品は多くの人にカヴァーやサンプリングされています。あなたの音楽が若いミュージシャンを引き寄せる理由は何だと思いますか?
「僕にはわからない。でも、誰かが僕の作品を引用したいとか何とか言っているときに、僕が反対したことはない。だって、その曲について自分が知らなかったことや予想していなかったことを学べるから。それに、お金ももらっているんだから、別にいいんじゃないかな。そうすることで、曲は常に新鮮さを保つことができる。曲は生き物だから、常に息を吹き込み続けたり、新しい仲間を与え続けたりする必要があるんだ」
Q:おそらく、かなりの数のMarshmelloのファンは...
「それが僕だとは知らないだろうね。それでもいいんだ。彼らが考古学的な調査をすれば、そこに僕がいることがわかる」
Q:ショーン・“ディディ”・コムズは、有名な「I'll Be Missing You」で「Every Breath You Take」をサンプリングしました。彼に対する最近の疑惑は「Every Breath You Take」を汚していますか?
「いや。(ディディに関して)何があったのかは知らない。でも、それによって、曲が汚されることは一切ない。今でも僕の曲だ」