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「ジェームス・ブラウンは僕たちのステージ時間をどんどん削っていった」 スタイリスティックスが代表曲「誓い」の制作を回想

2024/11/12 16:03掲載
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スタイリスティックス / 誓い
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ジェームス・ブラウン(James Brown)は僕たちのステージ時間をどんどん削っていった」。スタイリスティックス(The Stylistics)のエアリオン・ラヴは英ガーディアン紙の新しいインタビューの中で、代表曲「誓い(原題:You Make Me Feel Brand New)」の制作を振り返るなかで、JBのツアーでオープニングアクトを務めたときのエピソードも語っています。

「僕らのうち3人はフィラデルフィアのグループ、Monarchsに所属していて、他のメンバーはPercussionsに所属していた。学校を卒業すると、何人かは大学に進学し、軍隊に徴兵された人もいた。Monarchsは3人、Percussionsは2人だけになってしまったので、僕らの英語の先生でありマネージャーでもあったビバリー・ハミルトン先生が、僕らを合体させることを提案したんだ。ギターのロバート・ダグラスが、スタイリッシュな響きを持つバンド名を考え出した。

5人組のグループとして、テンプテーションズをモデルにした。最初のシングル“You’re a Big Girl Now”をリリースした後、Avco Recordsが僕たちをソングライター兼プロデューサーのトム・ベルに紹介してくれた。彼のプロダクションと楽曲が“フィラデルフィア・サウンド”を作り出し、スタイリスティックスのサウンドを生み出した。

トムは少し傲慢なところもあった。“俺の言うとおりにやれ”と僕たちに言っていた。でも、僕たちはまだ17歳と18歳だったし、デルフォニックスのために彼が書いた曲を聴いていたので、彼を尊敬していた。トムと作詞家のリンダ・クリードは素晴らしい曲を書いてくれた。僕たちの最初のアルバムにはトップ10ヒットが5曲も入っていた。僕たちは彼らの曲を一度も断ったことはない。初めて曲を聴くたびに、いつも鳥肌が立っていた。

リンダが“You Make Me Feel Brand New”のメロディーを初めて歌ったとき、僕は“うわー、いい感じの曲だ”と思った。僕はよく彼女に“この歌詞を思いつくまでにどんな経験をしたの?”と尋ねていた。シンプルな歌詞だったけど、誰もが共感できる歌詞だった。“You Make Me Feel Brand New”はラッセル・トンプキンス・ジュニアとのデュエットで、彼はレコーディングでリードヴォーカルを歌うのは初めてだった。スタジオに入って2テイクやって、僕は変えたいと思ったんだけど、トムは“いや、そのままにしておけ”と言っていた。

僕たちにとっては、何もかもがあっという間だった。ジェームス・ブラウンのツアーのオープニングアクトを務めたとき、アメリカ南部で人種差別の名残を目にした。黒人と白人のためのトイレの別々の標識がペンキが塗られていたけど、下から見るとまだ残っていた。

ジェームスは僕たちを気に入ってくれたと思う。初めて彼の前座を務めたとき、僕たちは20分間の演奏時間を与えられた。その後、観客の反応を聞いた彼は、15分に減らした。ツアーの終わりには、5分にまで減らされた。彼は僕たちが良いことを知っていたんだ」