ロキシー・ミュージック(Roxy Music)が1982年に発表した最後のスタジオ・アルバム『Avalon』。
フィル・マンザネラ(Phil Manzanera)は英ガーディアン紙の新しいインタビューの中で「今はもっと理解できるようになった。あの頃の僕はもっと反抗的だった」と語り、当時を振り返っています。
マンザネラが同じ1982年にリリースした、ドラムマシン主体のインストゥルメンタルアルバム『Primitive Guitars』は、『Avalon』の贅沢で複雑なサウンドへの返答のように聴こえると同紙が尋ねると、マンザネラはこう答えています。
「ああ、もちろん、100%そうだよ」と彼はうなずく、こう続けています。
「今は (『Avalon』のサウンドを) もっと理解できるようになった。ブライアン(フェリー)は優れたアーティストであり、これは彼の芸術作品だからね。でも、(あの頃の僕は)もっと反抗的だった。ドラムボックスやいろんなガラクタを使って、もっと実験的な、すべてを凝縮したアルバムを作ろうと思ったんだよ」
マンザネラのソロ作品はどれも大量に売れたことはありません。時折のロキシー再結成は別として、彼は「1983年頃からずっとインディーズ」だと誇らしげに言っています。
カニエ・ウェスト&ジェイ・Zが2011年にリリースしたアルバム『Watch The Throne』のオープニング曲「No Church In The Wild」では、マンザネラが1976年にリリースしたソロアルバム『K-Scope』のタイトル曲のギターリフがサンプリングされ、4分32秒にわたってループしています。
マンザネラは、回顧録『Revolucion to Roxy』で、このサンプルの使用料が、50年間にわたるロキシー・ミュージックでの活動で得た収入よりも多かったと主張しています。回顧録で、どのように書かれているかは
こちら。
マンザネラはガーディアン紙のインタビューの中で、『Watch The Throne』のプロデューサーである88-Keysが、どのようにして「K-Scope」に出会ったのか話しています。
「彼(88-Keys)は、僕がニューヨークのラジオシティでデヴィッド・ギルモアと共演していたとき、僕に会いに来てくれたんだ。彼はアルバム『K-Scope』を持参していたよ。彼は、1976年から1978年の間に作られたレコードのサンプリングを専門にしていると僕に説明してくれた。彼はレコード店のごみ箱を漁って、それを見つけたそうだよ。彼はそれをかなり遅くして使ったので、最初は気づかなかったけど、それが88-Keysの天才的なところなんだ。僕は彼に抱きついて“大好きだよ”と言った。まるで神の思し召しのように、まるで天上の誰かが“善いカルマだ。自分の道を歩み、人に親切にして、落ち着いていれば、きっと何かが起こる”と言われているかのような出来事だったんだ」