「グッズ売り場でTシャツが60ドルもするのを見て“ぼったくりだ”と言う。本国での大規模なステージ演出が“なぜ他の国ではできないの?”と言う。多くの観客は理解していない。一般の人々に見えない部分がたくさんあるんだ」と、米プログレ・メタル/スラッジ・メタル・バンド、
マストドン(Mastodon) のビル・ケリハーはポッドキャスト『The Break Down with Nath & Johnny』のインタビューの中で、ツアーの現状を語っています。
「すべては輸送次第だ。特に俺らのようなバンドはそうだ。ヨーロッパでのツアーをいくつか断らなければならなかった。収支が合わないからだが、理由はいくつかある。
まず、これまでで最大の輸送量になることは素晴らしいことだが、ヨーロッパでは(それを実現させるのは) ずっと難しい。ガソリン代がはるかに高い。トラックはずっと小さいので、こちらではトラックの数を2倍用意しなければならない。それに、運転手も見つけにくくなっている。
アメリカのような大規模な演出はできない。多少はかかるが、(ステージ上の)背景だけを持って行くことはできるだろう。でも、レーザーやビデオウォール、スタッフや技術者、火気などすべてを運ぶことはできない。
観客は“なぜここではそれができないの?”と言うだろう。彼らは、俺が今言ったことを理解していないんだ。1か月もヨーロッパに行けば、収入がゼロになる。(バンド以外の)他のみんなは、お金をもらっている。バンドはお金をもらう最後の人なんだ。
みんな、お金を稼ぐためにさまざまな方法を見つけている。みんな必死なんだ。俺はマストドンの前から常に必死だった。大学も出ていないし、ギターのレッスンを受けたこともない。俺はただのストリート育ちの男で、とにかく“どうやってお金を稼ぐか?”ということなんだ。グッズを売ったり、サインを書いたり、ステージでギターを弾いたり、それを売ったり。それが今、ミュージシャンたちがやっていることなんだ。
多くの観客は理解していない。彼らはグッズ売り場に行き、Tシャツが60ドルもするのを見て“ぼったくりだ”と言う。詳しく説明しよう。会場は、ほとんどの場合、グッズの売り上げの20~30%を手数料として徴収する。本来、グッズの売り上げとは何の関係もないはずなのにね。もしスレイヤー、メタリカ、アイアン・メイデンのような大物バンドと共演した場合、俺らのTシャツの値段も彼らに合わせることになる。つまり、一般の人々には見えない部分で、さまざまなことが行われているんだよ」
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