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キッスのジーン・シモンズ、自身のサウンドを形成したベーシスト(キャロル・ケイ、ポール・マッカートニー、ロニー・ウッド、クリス・スクワイア)語る

2024/10/29 17:52掲載
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Carol Kaye teaches Gene Simmons
Carol Kaye teaches Gene Simmons
キッス(KISS)ジーン・シモンズ(Gene Simmons)は、自身のサウンドを形成したベーシストを挙げる中で、キャロル・ケイ(Carol Kaye)ポール・マッカートニー(Paul McCartney)ロニー・ウッド(Ronnie Wood)クリス・スクワイア(Chris Squire)について語っています。

■Carol Kaye

「キャロル・ケイを抜きにして“ベース演奏”は語れない。モータウン・レコードでベースを弾いているのはアフリカ系アメリカ人の紳士だと思われていたが、背の低いユダヤ人の女性が弾いていた。俺は彼女と知り合いで、一緒にベースを弾いたこともあった

彼女は俺にいろいろと教えてくれた。彼女は本当に厳しく教えてくれた。“ダメ、ダメ、あなたは音を奏でているけれど、フィーリングは弾けていない”ってね。彼女はベースを熱心にアプローチしていた。“The Beat Goes On”ではベースラインが曲全体を構成している。それが一番印象に残っているが、それはキャロル・ケイが思いついたものだった。

彼女には脱帽だ。彼女はどんな曲を録音してもそこにいた。アフリカ系アメリカ人のミュージシャンでいっぱいの部屋で、この小さなブロンドのユダヤ人女性がそのすべてをやっていたんだ」



● Paul McCartney

「マッカートニーは、おそらく俺にとって最も影響力のあるベーシストだろう。ポール・マッカートニーへの最大の賛辞は、ビートルズの曲の大半を選んで、ベースが何を弾いていたか思い出せるということだ。

ベースにはあまり動きがない。ベースはドラムと一体になり、それがレールとなってその上を列車が走るようなものだ。AC/DCはそのスタイルとジャンルにおいて、おそらく誰よりも上手くやっているが、ポール・マッカートニーとビートルズは弦楽四重奏に近かったと思う。弦楽四重奏では、ヴァイオリンとチェロが独自のメロディを奏でている。

楽器がメロディを奏でている間、ベースもメロディを奏でていた。ドラムに縛られることはなかった。俺は、人々の記憶に残るような曲を作ろうとしていた。そして、その曲から“ギターがベースパートも演奏すればいいんだ”という発想が生まれた。

マッカートニーはこういうリフを思いつき、時にはレノンも同じことをした。

これらの美しい曲でベースラインを覚えているのは、マッカートニーが基本に固執していないからだ。彼はフレットボードを縦横無尽に動き回り、独自のメロディを生み出している。それは、創造的でありながら、曲のハーモニーの枠内に留まらなければならないので、とても難しいことなんだ。

だから、ポール・マッカートニーは他の人たちより頭一つ抜けている。彼は3拍子揃った才能の持ち主だ。比類のない曲を書き、史上最も成功したソングライターとなり、しかもそれをすべてひとりでやってのけた」

●Ronnie Wood

「俺が早くから聴いていたトップ・プレイヤーの1人がロニー・ウッドだったが、それはジェフ・ベック・グループに在籍していたからだ。最初の2枚のアルバムは極めて重要。レッド・ツェッペリンより先にリリースされたもので、それを聴いて、あまりに自由奔放で驚嘆した。

ジェフ・ベックはもちろん、他のすべてを凌駕していた。ベースには独自の音色があった。

俺は自分の心に響く音色を見つけるまで時間がかかった。それに近いものを得るためには、適切な楽器、適切な木材などを見つけなければならない。

ロニー・ウッドは、ギターの演奏はまあまあだが、この2枚のアルバムでのベース演奏は素晴らしい。俺の考えでは、彼はギター奏者であるよりもベース奏者としてずっと優れている。

レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズも素晴らしいが、彼が何を演奏しているのかは、あまり聴き取れない。音色はもっと低くて、R&Bのベース演奏のようなこもった音だ。ジョン・ポール・ジョーンズの演奏は、あまり記憶に残っていない。

ジェフ・ベックの『Truth』を聴くと、ベースの演奏は、はっきりと頭に浮かぶ。ロニー・ウッドのベース演奏へのアプローチと音色は、ベースとギターを掛け合わせたようなサウンドだった」

●Chris Squire

「自分のやりたいことに関しては、誰のことも気にしたことはなかった。誰に対しても言えるアドバイスはただ一つ、ジャングルに入り、自分にとって最良の道は何かを自分で見つけ出すことだ。また一人影響を受けた人物がいる。イエスのクリス・スクワイアだ。

“Roundabout”のようなイエスのベースパートを覚えている人は、クリス・スクワイアが何を弾いていたかを確かに覚えているだろう。でも、不思議なことに、彼のソロアルバムを聴くと、独特で本格的なパーソナルなベース演奏とサウンドがそこにある。それは、ディストーションがかかり、ミックスで際立っている彼のリッケンバッカーベースだ。

クリス・スクワイア、ロニー・ウッド、ポール・マッカートニーの共通点は? 彼らは個性的。演奏している曲が聴こえてくるし、彼らの演奏は象徴的だ。最も印象に残るのはメロディであることが多いが、際立っているのはクリス・スクワイアのベース・リフだね」

このほか、マイケル・アンソニー、フェリックス・パパラルディについても語っています。詳細は以下のURLのページでご覧になれます。

https://www.guitarworld.com/