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ティアーズ・フォー・フィアーズ『Songs from the Big Chair』は「寄せ集めアルバム」 メンバー回想

2024/10/25 18:22掲載
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Tears for Fears / Songs from the Big Chair
Tears for Fears / Songs from the Big Chair
ティアーズ・フォー・フィアーズ(Tears for Fears)が1985年にリリースした2ndアルバム『Songs from the Big Chair(邦題:シャウト)』は、「Everybody Wants to Rule the World」「Shout」などのヒット曲を生みましたが、メンバーによると「寄せ集めアルバム」でした。

彼らは新作として、スタジオ録音の新曲4曲を含んだライヴ・アルバム『Songs for a Nervous Planet』をリリースしました。彼らはSuperDeluxeEditionの新しいインタビューで、なぜ変則的なアルバムを制作したかを話す中で、『Songs from the Big Chair』について振り返っています。

Q:なぜライヴ・アルバムを制作しようと思ったのですか?

カート・スミス(Curt Smith)
「最初のアイデアはコンサート映画だったと思う。バンドの演奏がとても良いと感じていたし、ビジュアル的にも、この『The Tipping Point』ツアーは本当に良かったからね。映画を撮ることに同意すると、レコード会社の人たちが“次はどうする?”と聞いてきたので、ライヴ・アルバムをリリースしようと思ったんだ。バンドはこれまでで最高の状態だったし、演奏や歌に関しても今までで最高の状態だった。だから、ライヴ・アルバムという形で、この時点での自分たちの姿をまとめた作品を出す時が来たんじゃないかと思ったんだ」

ローランド・オーザバル(Roland Orzabal)
「そう、それに(前作のスタジオ・アルバム)『The Tipping Point』の次をどうするかという問題もあった。とても好評だったからね。それで、もう十分という感じもした。“ティアーズ・フォー・フィアーズの曲はもう十分だ。彼らのことは理解した。これ以上音楽は要らない”という感じだった。これから何年も何年も、このアルバムで食べていけるだろう。だから、2人ともそれぞれがライヴ・アルバムを制作しようという考えが明白になった。その後は、それをどうやって売り出すかという問題だった。次の(スタジオ)アルバムを作ることは簡単だったが、(バンドの)ストーリー的にはどうだろう? 今はすべてが順調だ。すべてが素晴らしい。僕たちは再び幸せになった。だから僕たちは別のスタジオアルバムは作らなかった。4曲をすぐに作り、ある意味でハイブリッド・アルバムを作ったんだ」

Q:この新曲4曲でスタジオ・アルバムの半分くらいは完成していますよね? 『Songs From The Big Chair』の時のことを考えたら。ローランドが言っているのは、ただタイミングが合わなかったということでしょうか。時期尚早だったということですか?

ローランド・オーザバル:
「良い例えだね。『The Tipping Point』は『The Hurting』のようなもので、『Songs For A Nervous Planet』は『Songs From The Big Chair』か。

『Songs From The Big Chair』は寄せ集めだった。そうは思えないかもしれないが、本当にそうだったんだ。B面の“Broken”みたいな曲やライヴ音源があって、それからイアン(スタンリー)が持っていたインスト曲“Listen”もあった。寄せ集めだったんだ。同じことをしてもよかったんだけどね」

Q:寄せ集めのアルバムとしてはうまくいったと思うけど...

ローランド・オーザバル:
「とてもうまくいったよ。特定の曲のおかげでね...」

カート・スミス:
「...特定の曲のおかげでね。妙な話だけど、そういう風にまとめられたという意味では、“Listen”のような曲はあのアルバムにとって非常に重要なんだ。寄せ集めだったけど、うまくいった。3つの大ヒット曲があったから、残りの曲は深みがあって、少し変わったものでなければならなかった。それで“Broken”や“Listen”が収録された。すべてをまとめている接着剤のような役割を果たしているのは、実は“The Working Hour”なんだよ。あのアルバムの中で唯一問題があるのは“Mother's Talk”。あとは満足している。理由は、あの曲にはたくさんのヴァージョンがあるから」

Q:実は、初期のジェレミー・グリーンによる未発表ヴァージョンを聴いたことがあるんだ。(アルバム前に録音されたがボツになったもの)

ローランド・オーザバル:
「それは困ったな。それは埋もれていて欲しかったよ」

カート・スミス:
「僕らはまだそれを正しく表現できていないと思う。

でも『Songs For A Nervous Planet』の新しい4曲については、僕たちにとって、よりその時の瞬間を切り取ったものになっていると思うよ」

Q:その新しい4曲は新曲ですか?それとも『The Tipping Point』のセッションからいくつか選んだのでしょうか?

ローランド・オーザバル:
「“Astronaut”は10年近く前からあった。

“Say Goodbye to Mum and Dad”のギターリフは『The Tipping Point』を制作している時に生まれたもので、すでに少なくとも10曲が出来ていたので『The Tipping Point』の候補にはならなかったし、十分に練り上げられたものではなかった。

“Emily Said”は、しばらく前からあったくだらないアイデアだったんだけど、歌詞もブリッジもサビも新しくした。

“A Girl That I Call Home”は、『The Tipping Point』のために曲を作っていた頃のバックトラックで、すっかり忘れていたんだけど、古いパソコンを整理していた時にその歌詞を見つけ、ちょっと面白いなと思ったんだ」