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アレックス・ヴァン・ヘイレン 「デイヴ脱退後のVHはもはや同じバンドではなかった」/サミー・ヘイガーの最新ツアーは「彼らはバンドを正当に評価していない」

2024/10/19 20:58掲載(Last Update:2024/10/19 20:59)
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Van Halen
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アレックス・ヴァン・ヘイレン(Alex van Halen)は米ビルボード誌のインタビューの中で、「デイヴィッド・リー・ロスが脱退した後のヴァン・ヘイレンは、もはや同じバンドではなかった。魔法のような演奏は最初の数年間にあった」と回想。またサミー・ヘイガー(Sammy Hagar)マイケル・アンソニー(Michael Anthony)がヴァン・ヘイレン楽曲を演奏する最近のツアーについては「興味はないね。彼らはバンドを正当に評価していない」とも話しています。

アレックスは、自伝『Brothers』の中でヴァン・ヘイレン(Van Halen)が1985年にデイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)と別れたことについて、「人生で経験した中で最も失望したことだった。弟を失うまでは」と書いています。

長年にわたるデイヴに対する確執、そして計画されていたエディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)のトリビュートツアーの失敗をデイヴのせいにしたことにもかかわらず(詳しくはこちら)、アレックスはこう話しています。

「デイヴに対してはまったく怒っていない。彼はバンドの主要な3つの要素の1つだった。当時、俺たちは常に争っていたため、そのことに気づいていなかった。だからこそ、エドが亡くなったとき、最初に電話したのがデイヴだったと(本の中で)言及した。一緒に仕事をしたこと、家族同士が知り合いだったこと、そして、バンドを始めた当初は、ある意味、皆が同じ立場にあったを考えると、彼にそうする義務があると感じたからね。どこで間違ってしまったのかはわからないが、デイヴと彼の仕事に対する姿勢に対しては最大限の敬意を持っている。彼の選択のいくつかは俺には本当に奇妙に思えるが、それを解明するのは俺の仕事ではない。

デイヴが脱退した後のバンドは、もはや同じバンドではなかった。どちらが優れていたとか劣っていたとか、そういうことではない。実際、エドと俺は、演奏するときはいつでも最高のパフォーマンスをしていた。常に全力を尽くしていた。でも、魔法のような演奏は最初の数年間、つまり自分たちが何をやっているのか分からず、何でもやってみようという気持ちでいた頃にあったんだ」

サミー・ヘイガーとマイケル・アンソニーがヴァン・ヘイレン楽曲を演奏する最近のツアーでは、アレックスは何らかの形で参加してほしいと彼らに打診されましたが、彼は反応を示しませんでした。

「興味はないね。彼らはバンドを正当に評価していない。彼らはやりたいことをやればいい。それは俺には関係のないことだ」

アレックスは、6月にドラム機材などをオークションに出品したことで「誤解を招いた」と語り、それは単に使っていない機材を倉庫から片付けただけだと話しています。

「(音楽を)やめるつもりはない。どこからそんな話が出てきたのかわからない。俺はスティックを握ったまま死ぬつもりだ」

数十年にわたって闘ってきた脊椎の問題は、今も続いているものの、「でも、現代のテクノロジーがあれば、あと五年もすれば大丈夫になるはずだ」とも話しています。

『Brothers』のオーディオブック版に収録されている新しいインストゥルメンタルトラック「Unfinished」は、エディの5150スタジオで兄弟が録音し、保管していたアイデアの宝庫から生まれたものでした。アレックスは「適切なタイミングで」さらに多くの楽曲をリリースする予定だと語っています。

「急ぐつもりはない。俺にはエドの基準を維持する義務がある。彼は細部にこだわり、うるさかった。最高の演奏ができる日ばかりではないから、正しいテイクにアクセスできるようにする必要があったので、いつもテープレコーダーは回していた。スタジオに入って“よし、最初から最後まで曲を作ろう”なんてことはしなかった。ここにちょっとした断片があり、あそこにもちょっとした断片がある。時が来るまでそれをしまっておいて、“ちょっと、この断片いいかも…”と思ったら、またそこに戻ってそこから何かを作り上げるんだ」

アレックスは先日、米ローリングストーン誌のインタビューで、AIの技術を使って、いくつかの素材を曲にする考えを話していました。詳しくはこちら

「みんながそれを聴きたいと思っているのはわかっている。しかし、裏を返せば、ヴァン・ヘイレンの曲には聴こえないということだ。(今後のリリースについては)他のミュージシャンやプロデューサーなど、何人かの人々を巻き込むことを楽しみにしている。誰もが何でもできるわけではないので、適切なチームが必要だ。これからだよ」

アレックスにとって、弟は今でも自分の人生に大きな存在です。インタビューの最後に、こう話しています。

「弟は俺から消え去ったわけではない。彼はまだここにいる。彼の魂はここにあり、それは掴んだり触れたりできるものではない。俺たちには、説明のつかないレベルでつながっている何かがある。科学者は、エネルギーは破壊できない、ただ形を変えるだけだと言うだろう。それが俺とエドの関係のようなものだ。

エドが亡くなったとき、俺は本当に辛かった。さまざまな理由から、怒りに満ちていた。ビリー・ボブ・ソーントンの曲で、兄弟が亡くなったとき、どう対処していいかわからなかったと歌っているものがある。そして、彼は、もう一緒にいられないという事実から逃げないこと、ありのままを受け入れること、そうすれば痛みは徐々に和らぐが、決して消えることはない、とも歌っていた。だから、俺は(本の中で)“次に会ったら、お前のケツを蹴り上げてやる”と書いたんだよ」