【update:2024/10/16 9:05】
サイトConsequenceによると、米ビルボード誌の最新音楽消費レポートは、アナログレコードが売り上げが減少したと誤って報告したものだという。
米ビルボード誌の最新音楽消費レポートに情報を提供しているデータ会社Luminateの担当者は、独立系小売店からのレコード販売枚数をカウントする方法が最近変更されたため、2024年のレコード販売枚数をそれ以前の年と比較することは不正確であると説明しました。実際、Luminateの報告によると、2023年と2024年の第3四半期までを比較した場合、両年の独立系小売店のデータを除外した場合、米国のレコード売上は6.2%増加しているという。
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【オリジナル:2024/10/15 10:21掲載】
米国ではこの10年間、アナログレコードの売り上げは右肩上がりでしたが、2024年は状況が違うようです。米ビルボード誌の最新音楽消費レポートによると、2024年のアナログレコードの売り上げが前年比で33.3%減少したことが明らかになりました。
昨年の音楽消費データと比較すると、レコード売上は2023年の3490万枚から2024年は2330万枚に減少しました。これはレコードだけの話ではありません。2022年に17年ぶりに増加に転じたCDの売り上げも、2023年から19.5%減少しており、デジタルアルバムも同様で8.3%減です。したがって、レコードやCD、デジタル含んだアルバム全体の売上は23%減で、2023年の7550万枚から2024年の5750万枚に減少しました。
一方で、レコードの売り上げは依然としてCDを上回っており、オーディオ・オンデマンド・ストリームは7%増加しているというデータもあります。また2024年は、カタログリリース (18カ月以上前にリリースされたアルバムや曲) が最新のものよりも多くストリーミングされたことも明らかにされています。
レコード・ブームが終焉を迎えたのでしょうか? オーディオビジネスプラットフォームのHeadphonestyが示唆しているように、レコードの売り上げ減少は、ブームの終焉ではなく、経済的要因によるところが大きいようです。
インフレ、金利の上昇、生活費の高騰により、2024年は、多くの音楽ファンにとって、40ドル以上のレコードや、50ドルから200ドルのボックスセットやリイシューを複数購入することが、以前に比べて難しくなりました。多くの音楽フェスティバルが今夏、チケットの販売に苦戦しているのも同じ理由です。購入&参加したい人が減っているのではなく、商品やチケットを買える人が減っているのが原因だと思われます。
レコードの製造コストは決して安くはなく、アナログ盤のプレスには膨大な時間と労力がかかり、需要の急増により生産が滞りました。製造コストはインフレによりさらに上昇しています。