HOME > ニュース >

ジミ・ヘンドリックス 68年未発表音源を発掘 オークションへ サウンドも長さもかなり異なる別ヴァージョン4曲収録

2024/10/14 20:58掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Jimi Hendrix Unreleased demo tape from 1968. Photograph: Propstore
Jimi Hendrix Unreleased demo tape from 1968. Photograph: Propstore
ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)が1968年に録音した未発表音源を収めたマスターテープが新たに発掘され、オークションに出品されます。落札予想価格は20万ポンド(約4000万円)。落札者は今のところこの音源を一般に公開することができませんが、「自分だけが聴くことができるジミ・ヘンドリックスの曲を手に入れられるという名誉を手にすることになる」と、オークションハウスPropstoreの担当者は語っています。

この1968年の未発表デモテープには、「Up From the Skies」、「Ain’t No Telling」、「Little Miss Lover」、「Stone Free」の別ヴァージョンが収録されています。オークション会社によると、これら音源は、よく知られているヴァージョンとは「サウンドも長さもかなり異なる」ものだという。

オークションはこのほか、ヘンドリックスが着用したゴールド・スーツや、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの最初のプロ契約書など、ヘンドリックス関連のアイテムが多数出品される予定です。

このコレクションを売りに出しているのは、1966年から1973年の間、ヘンドリックスのマネージャー、マイク・ジェフリーの個人秘書を務めていたパトリシア・“トリクシー”・サリバンです。1973年にジェフリーが亡くなった後、彼女はロンドン中心部にある彼のオフィスから資料を集めました。その後、執行官たちはオフィスを物色し、家具やその他の貴重品とみなされた物品を持ち去りましたが、デモテープやマスターテープ、その他の記録資料はそのまま残していきました。それ以来、すべてが彼女の手元に残されています。今年初めにこれらの存在が明るみに出ましたが、今回初めてその一部がオークションにかけられることになりました。

その中には、50本以上の貴重なテープがあり、ヘンドリックスのマスター音源や、アニマルズやソフト・マシーンなどの音源が含まれています。オリジナルの箱の一部には、ヘンドリックス自身の手書きでタイトルが書かれているものもあります。

未発表デモのうち、「Up From the Skies」、「Ain’t No Telling」、「Little Miss Lover」の3曲は、エクスペリエンスの2ndアルバム『Axis: Bold as Love』からのトラックで、「Stone Free」は1966年に発表されたヘンドリックスの初の英国シングル「Hey Joe」のB面曲です。

オークション会社Propstoreの音楽コンサルタント、マーク・ホックマンは次のように語っています

「これらのヴァージョンはこれまで一度も聴かれたことがなく、流通したことも、放送されたこともありません。サウンドも長さも一般的に知られているものとは大きく異なります。よりタイトでスムーズな演奏です。この録音を聴いた専門家は皆、これらのヴァージョンが他のどのヴァージョンよりも、はるか優れていることに同意しています」

これらの未発表音源が広く一般に公開されるかどうかは、最終的にこの音源を所有した人物が、ヘンドリックスの遺産管理団体と音源の使用について、どう交渉するかにかかっています。交渉が成立しなければ、音源は所有する人物が自宅で楽しむだけになるでしょう。

オークションは11月15日にロンドンで開催される予定です。