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トニー・レヴィン、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ『Double Fantasy』のレコーディングを回想 唯一後悔していることとは?

2024/10/03 16:04掲載
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Tony Levin
Tony Levin
キング・クリムゾン(King Crimson)等で知られるベーシストのトニー・レヴィン(Tony Levin)は、クリムゾンに参加する前、ジョン・レノン(John Lennon)オノ・ヨーコ(Yoko Ono)のアルバム『Double Fantasy』に参加しています。Ultimate Guitarのポッドキャスト『On the Record』の最近のインタビューの中で、このアルバムのレコーディング・セッションについて振り返っています。レヴィンが「唯一後悔」していることとは?

Q:キング・クリムゾンに参加する直前に、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのレコーディングしていましたね。その経験はあなたにとってどのようなものだったか、また、それがキング・クリムゾンでの経験にどのように役立ったかをお聞きしたいのです

「興味深い質問だね。 それとは何の関係もなかったよ。ちょうど同じ時期だった。1980年の終わり頃だったと思う。素晴らしい機会だった。最高だった。

初めてスタジオに入った時のことを覚えている。確かマンハッタンの48丁目にあったヒット・ファクトリーだったと思う。ジョンが僕のところに来て、非常に挑発的な、いかにもニューヨーク的な言い方でこう言ったんだ。“君は上手いらしいが、あまり音を出し過ぎるなよ”とね。僕は微笑みながら“そうだね”と心の中で思った。

もちろん、彼が僕の演奏を知らないでそう言ったことも理解していた。彼は他の誰かから、僕が上手いと聞いて“もしかしたら、こいつは僕の曲を台無しにするような男かもしれない”と思ったんだろうね。僕が微笑んだのは、自分は音がかなり少ないことを知っているからだった。

素晴らしい機会だったよ。何千人ものベーシストがいる中で誰かが、彼が新曲を歌い、ギターを弾くなかで演奏することができる。僕はその中の一人に過ぎず、ここに呼ばれたのはなんと幸運なことなんだろう。

たぶん1箇所だけ僕が反応した箇所があったと思う。僕が演奏したベース・パートは少しビートルズっぽいところがあった。ほんの2秒間だけ。それを始めた時、本能的に僕の脳は“それはやめて、それはビートルズっぽい”と言った。それから僕は“これはビートルズ風じゃない、これはジョンだ。それがジョンの曲にふさわしいなら、それでいい”と思ったんだ。

ポールのような弾き方を真似したつもりはなく、ただスタイル的にね...。“この一度だけは、自分自身にそれをさせてあげてもいい”と思ったんだ。元々そういうところだったんだしね。実際に行ったセッションは2週間だけで、その中から2枚のアルバムが生まれた。

そして悲劇的な結末が待っていた。僕たちはワールド・ツアーを予定していた。彼は2月頃にツアーをスタートさせると話していた。

あのセッションに関して僕が後悔しているのは…僕は写真家でもあって、スタジオ・セッションの写真集を数冊出している。ほとんどはキング・クリムゾンやピーター・ガブリエルのツアー中のものだよ。いつもそうしているように、このセッションでもカメラを持っていた。ジョンとヨーコがコントロールルームで再生を聴いている時、一度だけチャンスがあった。 僕はカメラを持って中に入り、2人を見て“写真を撮ってもいいですか?と言ったんだけど、ジョンは“できれば遠慮してほしい”と言われた。

それが僕の唯一の後悔。写真を撮ってから聞きばよかった。彼は怒って僕を家に帰すようなことはしなかったと思う。彼はただ“写真を撮らないで”と言っただけだと思う。たとえぼやけていても、そのときの思い出として、その1枚の写真があればよかったと思っているんだ。それが唯一の後悔。それが僕の唯一のミスだった」