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トム・ヨーク、レディオヘッド『Hail to the Thief』をシェイクスピア作『ハムレット』の新しい舞台作品のためにアレンジ

2024/09/26 11:42掲載
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Radiohead / Hail to the Thief
Radiohead / Hail to the Thief
トム・ヨーク(Thom Yorke)は、レディオヘッド(Radiohead)が2003年に発表したアルバム『Hail to the Thief』の音楽を取り入れた、シェイクスピア作『ハムレット』の新しい舞台作品『Hamlet Hail to the Thief』に取り組んでいます。

この作品では、ヨークが舞台用に再構成/アレンジしたレディオヘッド『Hail to the Thief』の音楽とシェイクスピアの戯曲(台本)をフィーチャーします。ヨークは20人のミュージシャンと俳優のために再構成しており、舞台ではオーケストレーションした楽曲が披露されます。

『Hamlet Hail to the Thief』は、演出のスティーヴン・ホゲットとクリスティーン・ジョーンズによって脚色され、ヨークがオーケストレーション、ジャスティン・レヴィンが編曲を担当します。

プレスリリースによると、この作品は『ハムレット』をまったく新しい解釈で表現するという、「熱狂的な新しいライブ体験」と評されています。

この新作では、『ハムレット』の舞台であるデンマークの都市エルシノアが、地獄のような監視国家で、偏執狂が支配し、誰もが悲劇的な結末を免れない世界として描かれています。亡霊や音楽によって徐々に明らかになるデンマークの嘘と腐敗にハムレットとオフィーリアが気づくというストーリーが中心です。

ヨークはプレスリリースでこのプロジェクトを「興味深い挑戦であり、同時に恐ろしい挑戦でもある!」と呼び、「舞台上の俳優たちによるライヴパフォーマンス用に『Hail to The Thief』のオリジナル音楽をアレンジし、この永遠に語り継がれる物語を、その馴染みのあるサウンドを使い、文脈から文脈へと俳優たちを導き、『ハムレット』の根底にある悲しみや偏執狂とどのように調和するかを見ながら、音楽をその場に存在するものとして用いて、それが演技や戯曲とどのようにぶつかり合うのかを見守りたい」とコメントしています。

クリスティーン・ジョーンはこう話しています。

「私が初めて観たレディオヘッドのコンサートは、2003年の『Hail to the Thief』ツアーでした。それは私のDNAは大きく変えました。それから間もなく、私は『ハムレット』を読み、そのアルバムを聴いていました。歌詞に注意を払っていると、この『Hail to the Thief』の多くの曲が劇のテーマを語っていることに気づきました。戯曲とアルバムの間には、不気味なほど共鳴する部分があります。何年も前から、私は演劇とアルバムがぶつかり合う作品を観てみたいと思っていました。そして、最終的にそのアイデアをトムに話したところ、彼は興味を示しました。何を作るかはっきりとは決めていませんでしたが、スティーヴンと一緒に作りたいという気持ちはありましたし、長年一緒にやってきた仕事をさらに発展させ、実験を続けていきたいと思っていました。

私たちは、劇がアルバムに影響を与え、アルバムが劇に影響を与えることを発見しました。どちらも絶望から生じる内的な不安と怒りを反映しています。特に、政府、コミュニティ、家族内での支配的な権力構造の精査から生じる絶望です。戯曲と音楽は容赦なく私たちを問い詰め、私たちが何でできているのか、そして何が正しくて何が間違っているのかをどう見分けるべきかを問いかけてきます」

この作品は、2025年4月27日から5月18日までマンチェスターのAvivaスタジオで世界初演され、その後2025年6月4日から28日までストラトフォード・アポン・エイヴォンのロイヤル・シェイクスピア・シアターで上演される予定です。