ブッカー・T&The MG's(Booker T. and the MG's)や
ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)での活躍でも知られる、ギター界のレジェンド、
スティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)。英Uncut誌の企画で、
ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)の演奏にクロッパーが影響を与えたのではないかというファンからの質問に答えています。
2人の出会いは1964年、クロッパーがプロデューサー兼セッション・ギタリストとして働いていたメンフィスのスタックス・スタジオに、ヘンドリックスが偶然立ち寄ったことがきっかけでした。
ヘンドリックスの演奏にクロッパーが影響を与えたのではないかというファンからの質問に、クロッパーはこう答えています。
「僕が彼に影響を与えた音はひとつもない! 彼は僕のような演奏はしない。彼は彼自身なんだ」
クロッパーは、自身がヘンドリックスの象徴的なスタイルに直接影響を与えたとは考えていませんが、ヘンドリックスとの相互の尊敬と友情を認めています。
「でも、ある面では事実だ。
僕たちは (1965年にデポー大学でアイズリー・ブラザーズと一緒に) 大学でライヴをやったんだが、ホールの反対側の端に(ヘンドリックス在籍の)別のバンドがいたんだ。(向こうの)バンドが最後のナンバーを演奏し終わると、僕らが引き継いで演奏を始める。それを一晩中繰り返したんだよ。僕は彼の演奏を見に行ったし、(演奏中に)ふと下を見ると彼が僕の演奏を見ていた。ジミはいい友達だったよ」
クロッパーは同じインタビューの中で、ヘンドリックスとの最後の出会いについて、その痛ましい思い出も語っています。
「最後に彼に会ったとき、彼はとてもハイになっていて、ほとんど僕に気づかなかった。僕は彼の仲間をつかまえて、“しらふにさせろ、殺すつもりか”と言った。それから3週間ほどで彼は亡くなったんだ」