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トニー・レヴィン、スティングとピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアについて語る

2024/09/13 16:25掲載
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Tony Levin
Tony Levin
トニー・レヴィン(Tony Levin)はUltimate Classic Rockの新しいインタビューの中で、スティング(Sting)とピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)について語っています。

Q:2016年にピーター・ガブリエルがスティングと共同でツアーした際、お互いのテクニックに触れる機会はどれくらいありましたか?

「僕の場合はたくさんあったよ。スティングが演奏している間、僕はステージ(の後ろの方)に残っていた。彼は本当にたくさんのテクニックを持っている。スティングはいろいろな才能があるから、みんな、彼が偉大なベーシストであり、偉大なシンガーであり、偉大なパフォーマーであることを忘れてしまうんだ。ポール・マッカートニーもそうだよね。スティングのベースは本当にいい。彼はたくさんのテクニックを持っているけど、とても自然に演奏しているので、彼が一生懸命やっているのがわからないほどだよ。彼は演奏しながら他のこともしている。僕は彼の後ろで“ここで最高の席だ”と思いながら、とても感心しながらそれを見ていたよ。

彼は僕の演奏を知っていたし、気に入ってくれていた。ピーター・ガブリエルの“Big Time”には、とてもトリッキーなベースパートがあり、僕はファンクフィンガーズで弾いている。スティングは、僕がファンクフィンガーズで弾いていることを知らなかった。彼は親指で弦を叩いていると思っていた。彼は“そのパートを演奏してもいい?ステージに残って弾くよ”と言っていた。彼は僕のところに来て、僕はシンセベースを少し演奏し、彼が“Big Time”の僕のファンクフィンガーズ・パートを演奏する間は邪魔にならないようにしていた。とても楽しい時間だったよ。

それに、彼は年代物のヴィンテージベースを持っていて、それは本当にクラシックなベースだった。彼はライヴではあまり弾かなかったけど、脇に置いてあった。それを見れば見るほど、僕は彼と彼のベース・テックに1曲だけでいいから弾かせて欲しいと頼んだよ。同じツアーでベーシストとして楽しい時間を過ごしたよ」

Q:デヴィッド・ギルモアとピンク・フロイドとの仕事で印象に残っていることは?

「彼は素晴らしい人だよ。彼から電話がかかってきて“ピンク・フロイドと一緒に演奏しないか?”って誘われたんだ。僕は“OK、やるよ”と思った。あのアルバム『A Momentary Lapse of Reason』での演奏は、短いものだったけど、本当に特別だった。素晴らしいプレイヤーたちと一緒に仕事ができたし、デヴィッドは本当に素晴らしい人だった。このアルバムをプロデュースしたボブ・エズリンとは以前一緒に仕事をしたことがあった。とはいえ、細部にまでこだわって作っていることに感銘を受けたよ。例えば、“スティックをアナログで録音して、サビの部分ではデジタルでベースを録音しよう”とか、そういうことをよく考えてくれていた。そういう細部へのこだわりがあって、「ああ、そうだよね。ピンク・フロイドだもんな。彼らはそういうことをするんだ”と思ったよ。

翌年のツアーに参加できなかったのは複雑な気持ちだった。ピーター・ガブリエルのツアーと少し重なっていたので、参加できなかったんだ。参加できないのは残念だった。参加したかったけど、できなかったんだ。デヴィッドが本当に素晴らしい人物であることを示す一例として、そのツアーの終わり(1年後)に彼らはニューヨークで最後の公演が行った。忙しくてツアーに参加できなかった僕の自宅に電話をかけてくれて、“最後の公演とパーティーに来ないか?君が演奏した音楽だから、君のことを招待しようと考えていたんだ”と言ってくれた。とても素敵なことだよね。僕も含めて、多くの人は、誰を招待すればいいのか思いつかないだろう。彼は本当にとても優しい人なんだ」