ドッケン(Dokken)での活躍でも知られるギタリストの
ジョージ・リンチ(George Lynch)はかつて、
オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)のバンドのオーディションを受け、一旦は合格しますが、その後、採用を取り消され、オジーは
ジェイク・E・リー(Jake E. Lee)の起用を決めました。オジーとの短い期間になにがあったのか? どのような経緯で終わったのか? Ultimate Guitarの新しいインタビューの中で、リンチ本人が語っています。
「受けるのは初めてじゃなかった。3回目だった。だから、“よし、今度こそ本当だ。今度こそは”という感じだったんだ。それに、今度は準備する時間もあったしね。
ウォーレン・デ・マルティーニが個人指導してくれたんだ。俺はすべてを細かく分析することが得意ではなかったからね。ランディ・ローズの曲は、想像できるように、とても難しいんだ。ずごく型破りだし、俺の得意分野ではない。俺はただ、“彼はどう弾いているんだ? タイミングも変だし、コードも…理解できない”という感じだった。そういう点を、ウォーレンが俺に理解できるよう手伝ってくれたんだよ。
そして、俺は参加した。曲は知っていた。俺はあちこち飛び回った。スコットランド、アイルランド、イギリスに行き、リハーサルのためにテキサスに戻った。ツアーに参加したけど、ライヴの最中にステージに上がることはなかった。たまに彼と一緒にサウンドチェックをしたりしていた。要するに、ただバンドと一緒に過ごしたんだ。彼らは、俺がみんなと相性がいいのかを見たかったのだと思うよ。
でも、2つの問題があった。オジーは俺の短髪を問題視した。当時、俺は髪を短くしていた。それから、彼の奥さんは俺の緑色のギターを問題視した。彼女は、それが鼻くそみたいに見えると言っていた。どんな音がするか、何を弾いているかなんて気にしていなかった。
俺は“他にもギターはあるけど、持ってきたのはこれだけなんだ”と言った。“なんでそんなの持ってきたの?”、 彼女は夕食の時もリハーサルの時もそのことを言い続けた。俺は“本当に他にもたくさんギターを持っているんだ。問題ないよ。それに俺の髪だって伸びるしね。それにさあ? あなたの夫はハゲてるよ”と言った。オジーは当時ハゲていた。でも彼はオジーだ。やりたいことを何でもできる。俺は続けた。“それにウィッグもあるし、ロッカーの多くがそれを被っている。俺も被るよ。どうだい?”。 それ以降、俺がチャンスを得られることは決して、決してなかった。
それから、彼らはまだ俺をバンドに残していた。ツアーをして1ヶ月くらい経って、しばらくダラスでリハーサルをしていた。それからリハーサルをLAに移した。ある夜、SIRにいたんだけど、(ロニー・ジェイムス・ディオの妻でマネージャーだった)ウェンディ・ディオが、自分のバンドメンバーから一人雇うよう彼に強く迫っていた。その中にはジェイク・E・リーもいた。彼らは俺に内緒でオーディションを行い、俺は“リハーサルをするつもり”でSIRに行ったら、ステージに他のメンバーがいた。誰も俺に何も言ってくれなかった。ジェイク・E・リーはステージに上がっていたけど、あまり上手く演奏できていなかった。後で彼と話したんだけど、彼も自分でそう認めていた。
でも、彼は素晴らしかったよ。彼は全身を覆う革のボディスーツで、いろんな装飾品が付いていて、髪の毛はお尻まであった。彼は最高に格好良かった。動きも素晴らしかった。
そのあと、オジーは楽屋に戻ってきて、“おい...”と言った。彼の訛りで何を言っているのかよくわからなかった。クビになったんだ。かなり辛かったよ」