Judas Priest / Rocka Rolla (50th Anniversary Remixed & Remastered)
ジューダス・プリースト(Judas Priest)が1974年にリリースしたデビュー・アルバム『Rocka Rolla』。発売50周年を記念して、新しくリミックスおよびリマスターされた新ヴァージョン『Rocka Rolla (50th Anniversary Remixed & Remastered』がリリース決定。デジタルは9月13日、CDとアナログレコードは海外で11月22日に発売されます。リイシュー元はReach Music/Exciter Records。
【update:9月13日にストリーミング・サービスで配信が開始されたのはアメリカとカナダのみ。その他の地域は近日発表とのこと】
ジューダス・プリーストは、このアルバムのオリジナルのミキシングとマスタリングの仕上がりに満足しておらず、また、その後の再リリースについても発言権を持っていませんでしたが、今回、ようやくその権利を手に入れました。プレスリリースでは経緯が詳しく語られています。
以下、プレスリリースより
「“過去を振り返って、我々の未来が展開していくのを見るのは素晴らしい。小さなメタルのドングリから、大きなメタルのオークが育つ。メタルにとっては小さな一歩だが、メタル界にとっては大きな飛躍だ。このアルバムは、永遠のメタルの炎に火を灯した。50年経った今でも、かつてと変わらず本物で新鮮だ”(ロブ・ハルフォード)
永遠のメタルの炎が灯される前の1974年、ジューダス・プリーストは20代の若きミュージシャン5人組にすぎなかった。ロブ・ハルフォード、グレン・ティプトン、イアン・ヒル、K・K・ダウニング、そしてジョン・シンチは、イングランドの労働者階級の町であるブラック・カントリー出身で、レコード契約を結んだことに興奮していた。
資金が限られていたため、バンドはコストのかからない夜間の時間帯にレコーディングを行った。レーベルが招いたプロデューサーで、ブラック・サバスをプロデュースした経験を持つロジャー・ベインの指導の下、このセッション中にアルバム『Rocka Rolla』が誕生した。
ジューダス・プリーストはアルバムのレコーディング方法を徐々に学んでいき、プロのレコーディングスタジオでの作業経験は、次作である、ヘヴィメタル史上最も決定的で基礎的なアルバムのひとつである『Sad Wings of Destiny』の準備に役立った。
しかし、『Rocka Rolla』では、バンドはミキシング、マスタリング、最終的な承認作業に立ち会うことはなく、完成した作品が最終的にどのようなサウンドになるかについて発言権を持っていなかった。バンドはスタジオでのサウンドには満足していたが、アルバムの完成版が郵送され、初めて聴いたときには落胆した。
ロブ・ハルフォードはこう語る。“レコードを手に取り、針を溝に置いて腰を下ろした。そして、俺は徐々に萎んでいくように感じた。その音にはとてもがっかりした。俺たち全員がそうだった。ここまで来るのにとても苦労したんだ。今、この音楽を俺たちがライヴで演奏しても、初期の原始的な時代でもヘヴィメタルは轟き渡っているのに、スピーカーからは何も出てこなかった”。
その後の数十年間、『Rocka Rolla』の再リリースや初期のコンピレーションアルバムなどがあったが、バンドはそれに対して発言権を持っていなかった...しかし、それは変わろうとしていた.....。
2022年のジューダス・プリーストの『50 Heavy Metal Years』ツアー中、舞台裏で驚くべきことが起こっていた。1974年にジューダス・プリーストと最初に契約を交わしたレーベル、Gull Recordsとそのオーナーのデヴィッド・ハウエルズは、レーベルが所有する2枚のアルバム『Rocka Rolla』と『Sad Wings of Destiny』のマスター音源と音楽出版権を売却することを決め、彼はグレン・ティプトンの音楽出版社であるReach Music Publishingのマイケル・クロースターに連絡した。
このチャンスについて話し合い、ジューダス・プリーストのマネージャーであるジェーン・アンドリュースと協力した結果、Reach MusicからGull Recordsに対して魅力的なオファーが提示された。条件が受け入れられ、買収契約が締結された。こうして、これらのアルバムがリリースされてから約50年後、Reach MusicとそのレーベルであるExciter Recordsは、ジューダス・プリーストと協力し、ついに『Rocka Rolla』と『Sad Wings of Destiny』の権利を獲得した。
最初の仕事は、保管庫からオリジナルのマルチトラックテープを回収することだった(奇跡的に、何十年もの間、使用可能な状態で保管されていた)。そして、このマルチトラックレコーディングから『Rocka Rolla』を復活させる作業を開始した。
時間を遡り、『Rocka Rolla』のテープをレコーディングスタジオのコンソールに戻すという作業を任されたジューダス・プリーストは、トム・アロムに全幅の信頼を寄せた。トム・アロムは、ジューダス・プリーストの世界では、象徴的なアルバム『British Steel』や『Screaming For Vengeance』など、数多くのアルバムのプロデュースで知られている。
トム・アロムは次のように述べている。“私たちがマルチトラックで行ったことは、あの時代のアルバムをゼロから完全にリミックスするという、かなり異例のことでした。ですので、私たちがやっていることを明確に説明すると、音楽的に何かを付け加えているわけではありません。音楽的な部分を再録音しているわけではありません。私たちは、今あるテクノロジー、つまり現代のツールを使って、それらをリミックスし、バランスを調整し、音質を向上させ、よりパワフルなサウンドにしたのです”。
このリミックス版の成果は今、後世に残すことができる。アーティスト公認の『Rocka Rolla』が、ついにファンのジューダス・プリースト・コレクションに加えることができるのである。
ロブ・ハルフォード:
“ただただ感激だ...。プロジェクトにエキスパートが関われば、2度目のチャンスが得られる可能性があることを示しているからね。トム・アロムは、多くの要素が失われた『Rocka Rolla』に、ここで2度目のチャンスを与えてくれたのだと思う。50周年の瞬間を彩るものとして、特に素晴らしいものになるだろう。本当にいい気分だよ”
グレン・ティプトン:
“俺たちにとってすべてが始まったのがこの作品であり、50年経った今、オリジナルの素晴らしいリミックスとリマスタリングを手にした...そしてバンドは今も健在だ!”
イアン・ヒル:
“1974年の6月と7月の数週間にわたって、コストを節約するために夜間のセッションで録音された『Rocka Rolla』は、わずかな予算で制作されたため、欠点があるのは当然だった。でも、地元のレコード店に行って、自分のアイドルのレコードが並ぶ棚に『Rocka Rolla』が置かれているのを見たときは、この上なく誇らしい気持ちになり、“これから何が起こっても、この事実を変えることはできない!”と思った。トム・アロムによるリミックスとリマスターが施されたことで、『Rocka Rolla』は、ついにそれにふさわしい作品となったんだ!”
K・K・ダウニング:
“ついに!これだ! ジューダス・プリーストの最初のアルバムが、本来意図されていた通りに聴くことができ、楽しむことができる!”」
■『Rocka Rolla (50th Anniversary Remixed & Remastered)』
01. One For The Road
02. Rocka Rolla
03. Winter
04. Deep Freeze
05. Winter Retreat
06. Cheater
07. Never Satisfied
08. Run Of The Mill
09. Dying To Meet You
10. Caviar And Meths