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a-ha 「Take On Me」の誕生について振り返る 「15歳の時にあのリフを作ったんだ」

2024/09/10 15:20掲載
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a-ha / Take On Me
a-ha / Take On Me
a-haのデビューアルバム『Hunting High And Low』が6枚組LPボックスセットとして再発されることにあわせ、ヒット曲「Take On Me」の誕生についてメンバーが振り返っています。

「Take On Me」の原点は、メンバーの2人、ポール・ワークター=サヴォイとマグネ・フルホルメンがa-ha以前に組んでいたバンド、ブリッジズ(Bridges)による楽曲「Miss Eerie」(1981年頃)でした。「Miss Eerie」はその後、モートン・ハルケットが加わった彼らによって「Lesson one」と改名され、そしてさらに時を経て「Take On Me」に進化しています。

Q:あなたが書いた「Take On Me」のキーボードパートは、あなたがポールとブリッジズで演奏していた頃のものですか?

マグネ・フルホルメン:
「それより前だよ。15歳の時にあのリフを作ったんだ。あの曲があれほど象徴的な曲になるなんて、その時はまったく思ってもみなかったよ(笑)。ポールはあの曲をけなそうとして“あまりにも商業的だ。広告のジングルみたいだ”とか言っていた。当時僕らは60年代の音楽や、もっと華やかでサイケデリックでダークな音楽に夢中になっていたからね。僕は“ちょっとキャッチーだよね”と答えたよ。

(加入前に)僕たちのライヴ演奏を聴いていたモートン(ハルケット)をバンドに誘ったとき、彼は“このリフは僕らの最初のアルバムに入れなきゃ。ヒットするリフだよ”と言っていた。僕は“うん、僕もそう思う”と答えた。

その後、このリフは数曲の異なる曲に渡って使われたんだけど、常に生き残る力を持っていたよ。だから、若い子たちに言いたい。ヒット曲を書くのに早すぎるということはない! だから、どんどん挑戦しよう」

ポール・ワークター=サヴォイ:
「取り組んだ曲の多くは完成までに何年がかかることもある。だから、それ自体はそれほど珍しいことではないんだけど、“Take On Me”の場合は、僕たちの最初のシングルだったので、うまくいってほしかった。

さまざまなヴァージョンを聴くことができる。最初はクレイジーな歌詞だったんだけど、もっと...ポップな感じにしてもいいけど、あんなにクレイジーな感じではない。最初のサビは気に入らなくて、ボツにした。それから、違う方向性を持ったサビを思いつくまでに時間がかかったよ。あまりにもポップ過ぎたので、ちょっと頭が痛くなった。感情的なサビにしたかったんだ。

サビと言うと、すぐに高音を狙いがちになるのが嫌なんだ。だから、モートンが歌える最低音を出し、そこから徐々に上げていくことで、それを回避しようとしていた。それがコンセプトだった。また、ミドルエイトを組み込むことで、調和しない部分を散りばめ、甘くなり過ぎないようにした。

次にビートを見つけた。全体が大きなパズルのようなもので、このトラックにはつなぎがない。マルチトラックを聴くと、すべての細かい部分がフックになっていて、どれも単独で口ずさむことができる。口笛でも吹ける。とてもフックのあるトラックなんだ」

Q:1984年にプロデューサーのトニー・マンスフィールドと最初にレコーディングした「Take On Me」は、英BBC Raio 1で流されていたにもかかわらずヒットにはなりませんでした。それはショックでしたか?

ポール・ワークター=サヴォイ:
「背景には社内政治的な事情があったと言わざるを得ない。 曲がヒットしなかったのは曲に問題があったわけではない。 ワーナー・ブラザーズと(ワーナーズの英国部門である)WEAの間の問題があった。彼らが成功させようと必死になっていたわけではなかった。ワーナー・ブラザーズ側が“これ以上何もするな。我々がやる。触るな”と言い出しただ。僕たちがそのような知識を持つ前のことだったので、僕たちは知らなかった。

レコード会社では、誰もがヒーローになりたがりる。誰もが自分のプロジェクトのために全力を注ぐためにそこにいるのであって、他のプロジェクトのためではない。

明らかに、(2番目のヴァージョンの)ビデオのおかげで、僕たちは一夜にして有名になった。前例がなかったから、僕たちは、ファーストアルバムのツアーには行けなかった。プロモーションだけで、突然全世界に手が届くようになったんだ。僕たちは15ヶ月間に3、4回、世界中でプロモーションを行った。

そういうことができたのは初めてだった。それまでは、アルバムを作って、そこからツアーをして盛り上げていく必要があったからね。もちろん、今では、そうすれば良かったと思っている。そうすれば、キャリアをもっと導くことができただろうから。でも同時に、僕たちはすぐに、バンド名が世界中で認知されるレベルにまで上り詰めたんだ」

以下はa-h<のドキュメンタリー映画『a-ha THE MOVIE』から本編クリップ映像「テイク・オン・ミーには様々なバージョンが存在した!」



以下は「Take On Me」とその原点「Miss Eerie」の音源・映像

■Bridges - Miss Eerie



■a-ha - Take On Me (Official 4K Music Video)