Linkin Park 2024, photo by James Minchin III
リンキン・パーク(Linkin Park)の
マイク・シノダ(Mike Shinoda)は米ラジオ局KROQのインタビューの中で、リンキン・パークが女性ヴォーカルと新ドラマーを迎えて再始動したことについて、その経緯を語っています。再始動は意識的な努力の結果ではなく、必ずしもリンキン・パーク名義でなくてもよいので、また一緒にクリエイティブなことをしたいという思いから始まったという。
「“バンドを再結成しよう”とか、“シンガーを試してみよう”という瞬間はなかった。そういう提案はあったよ。提案というよりも、“ねえ、こういうのはどう?”という感じだった。何人かの人たちからは『アメリカン・アイドル』や『ザ・ヴォイス』のようなオーディション番組をやって“優勝者をシンガーに迎えたらどう?”というものもあった。でもそれは、僕らがやりたいことや、正しいと思うこととは正反対のことだった。僕らのバンドは自然な化学反応と人間関係の上に成り立っているからね。
おそらく数年前からだと思うけど、デイヴ(“フェニックス”/ベーシスト)とジョー(ハーン/ターンテーブル、シンセサイザー、プログラミング)と僕は、より頻繁に話すようになっていて、“一緒に集まって、何かを作り始めよう。音楽を作ろう。リンキン・パークである必要はない。ただ集まって、クリエイティブになって楽しもう”という感じになっていた。
で、実際にそうした。当時は、ただ一緒に過ごす時間を増やすことが目的だった。そして、時間が経つにつれて曲が生まれ、その曲が“他の人も呼んで、どんな感じになるか見てみよう”というところまで発展した。そして最終的に“あの子、エミリー(アームストロング/新ヴォーカル)と一緒に作るものは特別だ。なぜ特別なのかはわからない。ただ特別だと感じる”というところまで来たんだ。僕たちが作ったものは良いものばかりだったけれど、もっと頻繁にやれば、きっと彼女と一緒に素晴らしいものを作れるはずだと思う。
いま僕たちのバンドでドラムを担当しているコリン(ブリテン)にも出会った。コリンはソングライター兼プロデューサーで、数年前に何かのセッションで会って、すぐに意気投合した。ブラッド(デルソン/ギター)とジョー、デイヴを加えた6人で集まるようになってから、徐々に形が見えてきたんだよ」
新生リンキン・パークは先日、新曲「The Emptiness Machine」をリリースしましたが、この曲のレコーディングが、バンドメンバーたちがリンキン・パークの再始動を、より真剣に考え始めた際の重要なターニングポイントの一つとなったとも話しています。
「“これぞリンキン・パークの曲だ”と思った。あの曲を聴いて、他の曲だなんて言えない。その時点でも、僕らは“別のバンド名にすべきだろうか? ヴォーカルは1人でいいのか?複数のメンバーがさまざまな役割を担うのはどうだろうか?”などと考えていた。けど、彼女が歌っていると、それがリンキン・パークだと感じて、僕はただ“いい感じだ”と思ったんだよ。よくわからない。論理的に考えることはできない。理屈では説明できないことなんだ。ただ、いい感じなんだよ」
言うまでもなく、エミリーはチェスター・ベニントンと比較されることが多くなるでしょう。それでも、シノダは、彼らの新しいヴォーカリストがチェスターの真似をしようとしているわけではないと話しています。
「僕らはみんなで何度も何度も話し合ってきたし、今も話し合っている。みんなが感じている難しいことのひとつは、チェスターの声で長い間リンキン・パークを聴いてきただけに、他の誰かがその役割を担うとなると、本当に違って聴こえるということだ。まだリリースされていない楽曲に関しては、僕はそれらが大好きだし、彼女の声は素晴らしいと思うよ。
チェスターと強い絆で結ばれていた人々に知っておいてほしいのは、僕は、チェスターは唯一無二の人物であり、唯一無二の歌声を持っていたと思っていること。エミリーもまた唯一無二の人物であり、唯一無二の歌声の持ち主なんだ。彼女は彼になろうとしているわけではない。彼女は彼女自身であろうとしている。僕は、彼女がこれらの曲で歌っているのを聴くと、リンキン・パークだと感じるんだよ」