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マイケル・シェンカー 最も技術的に難しいソロは?/最も誇りに思うリフは?/あなたの音色はどれほど進化してきたか?などに返答

2024/09/03 20:47掲載
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Michael Schenker
Michael Schenker
マイケル・シェンカー(Michael Schenker)はMusicRadarの新しいインタビューの中で、「最も技術的に難しいソロはどれ?」と尋ねられて「テクニックで弾いているわけではなく、素晴らしい化学反応を起こす素晴らしい音をただ探しているだけなんだ」と返答、また「最も誇りに思っているリフはか?」と尋ねられると「良いリフと悪いリフの違いなんてわからないよ! 俺にとっては、自分が考え出したリフはすべて良いものなんだ」と返答しています。

Q:これまでのキャリアを振り返って、最も技術的に難しいソロはどれだと思いますか?

「俺は自分のことをテクニカルなプレイヤーだとは思っていない。俺はおそらく正しくはないやり方だと思うが、ただ手を動かすことだけで技術力を磨いてきた。テクニックで弾いているわけではなく、素晴らしい化学反応を起こす素晴らしい音をただ探しているだけなんだ。おそらく正しくはないやり方で弾いているからこそ、他の人ができないことができるのかもしれない。特に、正しい手のポジションで完璧に弾く人にはできないことができる。彼らは、間違ったやり方をしないから、俺と同じようなフィーリングやサウンドを得ることができないのかもしれないね。ギター教室でみんなが同じことを学べば、みんな同じような音になってしまうよ。

音楽に対する俺のアプローチは自己表現そのものなんだ。俺は50年間、他人の音楽から距離を置くことでそれを続けてきた。自分だけの特別な何か、自分だけにしかできない何かを創り出すために、音色と音符の独自の組み合わせをを探している。

俺のソロがどれほどテクニカルなのかを語ることは難しい。俺自身がそうは考えていないから。俺はすべてを自然にやっているから、真似をする際に何が簡単で何が難しいのかはわからないんだ」

Q:長年にわたって、あなたの音色はどれほど進化しましたか?

「俺は今日のために生き、過去には生きない人間だ。今と明日のことしか考えていない。時代は変わる。50年前には素晴らしい車を持っていたかもしれないが、今では滑稽に見えるかもしれない。すべては常に変化している。当時は素晴らしかったサウンドも、今は少し違う。それがどうしてなのかは不思議だ。

物事はその瞬間に、その時に利用できる状況の中で創造される。そういったことが、どのように聴かれるかに影響を与える。50年も経てば、すべてが違って聴こるし、君が何かをすることで影響も違ったものになるだろう。それ以降の時間の中から出てきたものによって、比較対象も違ってくる。

例えば、ジミー・ペイジを初めて聴いたとき、彼が録音したものは素晴らしい音に聞こえたが、今聴くと少し馬鹿げた音に聴こえるかもしれない。トニー・アイオミも同じだ。“Paranoid”は当時としては素晴らしいソロだったが、それは他に何もなかったからだ。しかし、今日聴くと、馬鹿げた、とても奇妙な音に聴こえる。

自分のキャリア初期の録音を聴き返したら、ほとんど未熟に聴こえる。比較する対象がない方が楽なんだ。 かつて存在感を放っていたヴィンテージカーも、今の車には太刀打ちできないからね」

Q:最も誇りに思っているリフはどれですか?

「良いリフと悪いリフの違いなんてわからないよ! 俺にとっては、自分が考え出したリフはすべて良いものなんだ。その時の自分を表現しているからね。俺は流行の音楽をやっていなかったので、誰も俺の音楽を聴いてくれなかった時代にも、誇りに思うリフはたくさんある。

自分としては、今でも素晴らしいリフだと思っている。もしそう思わなかったら、録音しなかっただろう。俺は流行を追うようなことはしない。注目を集めるために何かを真似することもしない。自分の頭の中と心の中にあるアイデアに集中して、世界に貢献できるものを生み出すのが好きなんだよ」

Q:多くのメタル・ギタリストがあなたを最も大きな影響を受けた人物の一人として挙げています。でも、ハードでヘヴィなサウンド以外では、あなたは常にブルースに戻ってくることができますよね。その秘訣は何ですか?

「人は皆それぞれ違う。自分が好きなことをしていれば、それが一番いい。誰もがブルースに何かを戻さなければならないという義務はない。すべては自分の頭の中で何を聞いたかということなんだ。俺が考えることは、他の誰にもできない。その瞬間は、俺は誰かの真似をするのではなく、自分から出てくる決断をするからだ。

オーケストラで演奏したいなら、確かに音楽学校がいいかもしれない。何を求めているかによって違ってくる。でも、他とは違う独特なギターを弾きたいなら、自分らしさを選ぶしかない。良い表現も悪い表現もない..。表現することだけなんだ」

Q:メタリカのカーク・ハメットは長年にわたり、特に高速演奏やメロディックなアイデアをどのように組み合わせるかという点において、シェンカーから多くを学んできました。メタリカを聴いて、自分のフレーズを耳にするということはありますか?

「意図的ではないが、メタリカの“The Unforgiven”のような素晴らしい曲を偶然耳にすることがある。 彼らは素晴らしいバンドだ。 カークはクラシックの演奏も得意だと思う。 彼がエレキギターで弾いているリードは、俺の好みとは少し違うかもしれないが... 。

俺の耳には、15歳の頃、(スコーピオンズのデビューアルバム) 『Lonesome Crow』で演奏していた頃の俺のように聴こえる。あのスタイルをコピーする人は、俺のヴィブラートがまだ正しくなかった頃の演奏なので、少し未熟に聴こえるだろう。でも、初期の頃の俺の演奏を気に入って、そのスタイルを真似してくれた人もいた。今、自分がやっていた演奏を聴き返してみると、今の自分とは全く違う段階にあったに感じる。より自然なビブラートを身につけて、自分のギターが好きなように歌えるようになるまでには何年もかかったんだ」