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ジェフ・“スカンク”・バクスター、ドナ・サマー「Hot Stuff」のギターソロは直前に購入した安物ギターを使ってワンテイクで録音したと語る

2024/09/02 20:31掲載
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Jeff baxter / Speed of Heat
Jeff baxter / Speed of Heat
ドナ・サマー(Donna Summer)の「Hot Stuff」には、ドゥービー・ブラザーズやスティーリー・ダンなどでの活躍でも知られるギタリストのジェフ・“スカンク”・バクスター(Jeff "Skunk" Baxter)のギターソロも含まれており、彼女がよりロック志向のサウンドへと転換するきっかけとなった代表曲のひとつです。スカンクはこのレコーディングをVertex Effectsの新しいインタビューの中で振り返っており、直前に購入した安物(35ドル ※1ドル=230円だとすると約8000円)のギターを使ってソロをワンテイクで録音したと話しています。

「アシスタントが“ああ、言い忘れていました。ジョルジオ・モロダーという人から電話がありました”と言った。僕は“どんな音楽?”と尋ねると、彼は“ディスコだって言っていました”と答えた」

彼がこのオファーを受けるのをためらった理由は、彼はすでに、同じくギター界のレジェンドであるジェイ・グレイドンと共にディスコをたくさん録音しており、当時すでにディスコのコラボレーションに飽き飽きしていました。

「もう限界だったんだ。うぬぼれたような言い方をするつもりはないけど、当時、ジェイと僕は月曜日に集まって、その週に演奏するリフをどうするか決めていたんだ。毎週ずっとだよ! 僕たちにとってはすべてが同じだった。

だから、僕は“(僕じゃなくて)ジェイに電話して”と(モロダーに)言った。それで彼がジェイに電話をすると、ジェイは“いや、スカンクに電話してくれ”と言ったんだよ。それで僕は“わかった、セッションは僕がやるよ”と答えたんだ。

僕は“セッションは引き受けるけど、こういう演奏ができるギタリストはたくさんいる。もし君が何か違うことを望むなら、僕は喜んでそれをする。でも、ある程度の自由は欲しい”と言った。僕はその曲を聴いたこともなかったしね。すると彼は“好きなように演奏してくれ”と言った。彼は、ドナを、よりロックの方向にシフトさせることを考えていたからだと思う」

しかし、もうひとつ現実的な問題がありました。スカンクは引っ越し中で、手元にギターがありませんでした。

「ギターセンターに行ったんだよ。ハリウッド店の店長がポール・ハーマンだった。“ポール、今すぐギターが欲しいんだ”と言ったら、彼は笑って店の真ん中に置いてある箱を指して、“25ドルで売ってやる”と言った。そこには変わったギターがたくさん置いてあって、その中に、通常のペグが5つ付いたバーンズ・ベイビー・バイソンがあった。誰かがギブソンのペグを取り付けていたんだ。

それで、僕はそれを手に取って、プラグを差し込んで弾いてみた。それから35ドルを彼に渡して、ビールの6本入りパックを買って、ラスク・スタジオへと向かった。(スタジオにつくと)彼らはその曲を聴かせてくれた。僕は“いいよ”と言った。そこにはすでに(フェンダーのギターアンプ)デラックス・リヴァーブがあった。すべてを10まで上げて、ギターをプラグを差し込み、“テープを回して”と言った。それだけ。ワンテイクで終わったよ」