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キッスのジーン・シモンズ 史上最高のアルバム/お気に入りのシンガー&ギタリスト/俺が作った最高&最悪のアルバム/葬式で流してほしい曲等を語る

2024/08/31 22:17掲載
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Gene Simmons
Gene Simmons
キッス(KISS)ジーン・シモンズ(Gene Simmons)が様々な質問に返答。英Classic Rock誌企画。

「初めて聴いた音楽」「史上最高のアルバム」「お気に入りのソングライター/シンガー/ギタリスト」「俺が作った最高/最悪のアルバム」「泣ける曲」「俺の葬式で流してほしい曲」

■初めて聴いた音楽

「ブラック・ミュージックだった。チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、レイ・チャールズ......偉大な人たちばかりだ。母と一緒にアメリカに移住したとき、俺は8歳で、英語は一言も話せなかった。だから、例えば(リトル・リチャードの)“Good Golly Miss Molly”のような曲の歌詞は理解できなかった。“She sure likes to ball”、つまり彼女はセックスが好きなんだ! ロックンロールという言葉がセックスを意味することも知らなかった。踊り方を知らなくても、ただこの音楽に感動していた」

■お気に入りのソングライター

「(ジョン)レノンか(ポール)マッカートニーのどちらか。“Eleanor Rigby”も“Yesterday”も“Across The Universe”も、これまでに聴いたどの曲よりも心に響く曲だ。レノンが好きではなかった“And Your Bird Can Sing”でさえ、後にも先にもあんなサウンドを出した人はいない。素晴らしい曲が本当にたくさんある。信じられないよ。ジョージ・ハリスンも忘れてはいけない。“All You Need Is Love”やその他のヒット曲を作っていないから、才能が劣ると思われていた。彼はその後、“While My Guitar Gently Weeps”、“Something”、“Here Comes The Sun”を生み出した。で、こう言われたんだ。“あぁ、こいつも天才だ!”ってね」

■お気に入りのシンガー

「ロイ・オービソンはロックンロールの曲に最高の声を持っていた。でも、ジャッキー・ウィルソンの“ Baby Workout”を聴くと、あの歌声は否定しようがない。そして、歌手というよりパフォーマーとしてのカリスマ性で言えば、ジェームス・ブラウンだろうね。60年代のテレビ番組に、(ローリング)ストーンズ、ビーチ・ボーイズ、そしてジェームス・ブラウンが出演していた。ストーンズが番組のラストを飾ることになっていたんだけど、ジェームス・ブラウンがステージにいる間、ミック・ジャガーが彼を見て爪を噛んでいる姿がアップで映し出されていた。ジェームス・ブラウンは、これまでに観たことのないような素晴らしいパフォーマンスを披露していた。彼の動き、体をくねらせる姿には驚かされたよ」



■お気に入りのギタリスト

「ジェフ・ベック、(ジミ)ヘンドリックス、エディ・ヴァン・ヘイレン。確かにギター演奏を変えたのはヘンドリックスとエディ・ヴァン・ヘイレンだ。でも、彼らはみんな、ベックを尊敬していたと思う。そして、最も多くのリフを生み出したのは誰か? それはジミー・ペイジだ。彼に匹敵する者はいない」

■史上最高のアルバム

「真っ先に思い浮かぶのは(ビートルズの)『Sgt. Pepper('s Lonely Hearts Club Band)』だが、スティーヴィー・ワンダーの名盤のひとつ、『Innervisions』でもいい。才能について考えると、スティーヴィー・ワンダーは、作曲、アレンジ、歌唱、キーボード、ギター、ベース、ドラムなど、すべてをこなすことができる。そうそう、言い忘れていたが、彼は盲目だ!」

■俺が作った最高のアルバム

「今にして思えば、キッスはスタジオで十分な時間を費やすことができなかった。『Destroyer』はまあまあだし、『Revenge』も好きだが、キッスは常にライヴ体験に重きを置いていた」

■俺が作った最悪のアルバム

「『Music From ‘The Elder’』。 責任は俺にある。俺のアイデアだったからね。(プロデューサーの)ボブ・エズリンに映画の脚本を書いていて、それに基づいてコンセプト・アルバムを作ろうと考えていると話したのを覚えている。すると彼は“俺たちの『Tommy』をやろう!”と言った。俺は“ザ・フーにできて、なぜ俺たちにできないんだ?”と言った。まあ、真っ当な答えとしては“俺らはザ・フーじゃないからだよ!”。あのアルバムを愛してくれているファンもいる。俺にとっては不誠実なものだった。でも、俺らが今まで作った中で最も本当に不誠実なアルバムは『Carnival Of Souls』だった。俺たちは自分たちらしさを追求するのではなく、トレンドを追いかけようとしていた」

■俺が「恋のムード」に酔いしれたいときに聴く曲

「ジェフ・ベックの“Nessun Dorma”。なんて素晴らしいんだ!特に最後の盛り上がりは最高だ。壮大な曲だ」



■泣ける曲

「一般的に言って、より感情的な曲、涙を誘うような曲は、黒人歌手が歌うものが多い。ルーサー・ヴァンドロスには、幼い頃の思い出を歌った“Dance With My Father”という曲がある。レイ・チャールズが歌う“Georgia On My Mind”を聴くと、懐かしい場所や過去に戻りたいという気持ちになる」



■俺の葬式で流してほしい曲

「俺は最高に素晴らしい人生を送ってきたので、みんなに悲しんでほしくない。パーティーを開いて欲しい。シャンパンを開けて、楽しい時間を過ごしてほしい。だから、ジャッキー・ウィルソンの“Baby Workout”を流して、みんなで踊ってくれ。死を悼むのではなく、人生を祝おう!」