「ブラック・ミュージックだった。チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、レイ・チャールズ......偉大な人たちばかりだ。母と一緒にアメリカに移住したとき、俺は8歳で、英語は一言も話せなかった。だから、例えば(リトル・リチャードの)“Good Golly Miss Molly”のような曲の歌詞は理解できなかった。“She sure likes to ball”、つまり彼女はセックスが好きなんだ! ロックンロールという言葉がセックスを意味することも知らなかった。踊り方を知らなくても、ただこの音楽に感動していた」
■お気に入りのソングライター
「(ジョン)レノンか(ポール)マッカートニーのどちらか。“Eleanor Rigby”も“Yesterday”も“Across The Universe”も、これまでに聴いたどの曲よりも心に響く曲だ。レノンが好きではなかった“And Your Bird Can Sing”でさえ、後にも先にもあんなサウンドを出した人はいない。素晴らしい曲が本当にたくさんある。信じられないよ。ジョージ・ハリスンも忘れてはいけない。“All You Need Is Love”やその他のヒット曲を作っていないから、才能が劣ると思われていた。彼はその後、“While My Guitar Gently Weeps”、“Something”、“Here Comes The Sun”を生み出した。で、こう言われたんだ。“あぁ、こいつも天才だ!”ってね」
「『Music From ‘The Elder’』。 責任は俺にある。俺のアイデアだったからね。(プロデューサーの)ボブ・エズリンに映画の脚本を書いていて、それに基づいてコンセプト・アルバムを作ろうと考えていると話したのを覚えている。すると彼は“俺たちの『Tommy』をやろう!”と言った。俺は“ザ・フーにできて、なぜ俺たちにできないんだ?”と言った。まあ、真っ当な答えとしては“俺らはザ・フーじゃないからだよ!”。あのアルバムを愛してくれているファンもいる。俺にとっては不誠実なものだった。でも、俺らが今まで作った中で最も本当に不誠実なアルバムは『Carnival Of Souls』だった。俺たちは自分たちらしさを追求するのではなく、トレンドを追いかけようとしていた」
「一般的に言って、より感情的な曲、涙を誘うような曲は、黒人歌手が歌うものが多い。ルーサー・ヴァンドロスには、幼い頃の思い出を歌った“Dance With My Father”という曲がある。レイ・チャールズが歌う“Georgia On My Mind”を聴くと、懐かしい場所や過去に戻りたいという気持ちになる」