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バンドは時代遅れなのか? 英BBCが特集

2024/08/29 12:49掲載
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rock band
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バンドは時代遅れなのか? 英BBCが特集しています。

英国では2023年、バンドがリリースした新曲のうち、シングルチャートのトップ100に入ったのはわずか4曲でした。また、グラストンベリーなど今年の大規模なフェスティバルでバンドがヘッドライナーを務めたのはコールドプレイだけでした。

バンドはどう思っているのでしょうか? 

ウェールズ出身のポップパンクバンド、ネック・ディープ(Neck Deep)はBBC Newsbeatの取材に応じています。ギタリストのサム・バウデンは「バンドは業界の消滅寸前の存在」だと感じているという。「バンドにとって今は経済的に厳しい。ツアーで元を取るは難しい」と付け加えています。

英国でも業界のコストは上昇しており、機材の購入や移動はもちろん、音楽会場の確保さえも大変な状況です。2023年には、英国の125のライヴハウスがライヴ音楽を断念し、そのうちの半数以上が経済的な問題により完全に閉鎖されました。

英BBCは、もう一つの要因として、現代の音楽業界がソロアーティストに、より重点を置くようになったことを挙げています。

TikTokやストリーミング配信では、アルゴリズムが音楽の発見において、ますます支配的になっています。

ネック・ディープのドラマー、マット・パウエルは、TikTokのようなアプリでは、複数のメンバーがいるバンドよりも1人をフォローする方が、ファンにとっては把握しなければならない情報が少なくて済むので楽だと感じているとBBCの取材に答えています。

ザ・ウォンバッツのフロントマン、マシュー・マーフィーも同意見で、Newsbeatの取材に対し、業界はソロアーティストに傾倒していると語っています。「契約がしやすく、プロモーション費用も安い。相手にするのは4人ではなく1人だけだしね。カルチャーを変えるには、ギター・バンドがブレイクする必要がある」と話しています。

ファンはどのように感じているのでしょうか?

BBCはレディング・フェスティバルに参加していた、いずれも21歳の3人に話を聞いています。3人のうち2人はソロアーティストが最も好きなアーティストで「カラオケで歌うときは、ソロアーティストの方が歌いやすい気がする」と話していますが、ライヴはバンドの方が良いと思っているという。「バンドの方が雰囲気がいい。いろんなことが起こっている」と話しています。3人とも、もし自分がミュージシャンになるなら、ソロではなくバンドを組むだろうと話しています。

ネック・ディープは、バンドにいることは単なる音楽以上のものだと話しています。

サムは、ソロでやっていくのはかなり孤独だろうと考えていて、バンドは毎晩ステージで仲間と笑い合えることを楽しめると話しています。バンドにいることは、ツアー中の辛い時期を乗り越える助けにもなったと語り、「一緒にやっている仲間が大事なんだ」と付け加えています。