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ロリー・ギャラガー、予期せぬヒーローの登場に驚きステージに上がることができなくなってしまう ロリーの弟が逸話語る

2024/08/20 14:47掲載
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Rory Gallagher
Rory Gallagher
ステージに上がる直前に自分の憧れのヒーローがステージに突然現れ、自分をステージから紹介したら緊張しますよね? アイルランドのギターヒーロー、ロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)にも自身のヒーローがいて、彼は予期せぬヒーローからの紹介に驚き、ステージに上がることができなくなってしまったという。ロリーの弟で元マネージャーのドナル・ギャラガーがGuitarist誌の最新号で、この逸話を語っています。

ドナルによるとロリーの憧れのヒーローは、キッフル・ブームを先導したロニー・ドネガンでした。

この逸話の舞台は1975年12月。すべては、ロリーのバックバンドのドラマー、ロッド・ディアスが新しいドラムセットを購入したことから始まりました。

そのドラムセットを持ってきた人物が、ロニー・ドネガンが町にいるときはいつも一緒に演奏していると漏らします。それがドナルに伝わり、ドナルは兄のロリーがロニーに憧れていることを知っていたため、素晴らしいアイデアを思いつきました。それはサプライズのクリスマス・プレゼントとして、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われる、ロリーのコンサートにロニーを密かに招待するというものでした。ドナルはこう語っています。

「僕は“なんだって、ロニーは今どこにいるんだ?”と尋ねたよ。彼(ドラムセットを持ってきた人物)は“今は町にいるよ”と言ったので、僕は“今夜、彼を一緒に連れてきてくれないか?”と頼んだんだ。

すると彼は僕を奥の公衆電話まで連れて行き、番号をダイヤルして6ペンスか1シリングを入れると、僕に電話を渡した。それはロニー・ドネガンへのいきなりの電話だったんだ。

ロニーが電話に出たので、ロリーと僕がどれほど彼を尊敬しているかを説明し、その夜ロリーがアルバート・ホールで演奏すること、そして急な連絡で申し訳ないのですが、そのライヴに来てくれませんか?と伝えた。

彼は“まあ、いいよ。楽屋の入り口で会ってくれたら行くよ。入り口のところでごちゃごちゃ言われたくないんだ”と言ったので、僕は“そこに行くよ”と答えたんだ」

約束通り、ロニーはライヴに現れ、ドナルはロリーがステージに上がる前に、ロニーを観客に紹介させてほしいとロニーにお願いして了承を得ます。

「僕がまずステージに上がり、ロニー・ドネガンを紹介し、ロリーが彼の大ファンの一人であること、そしてロリーが彼からどれほどインスピレーションを受けているかを説明しました。すると観客は総立ちになり、彼をとても温かく迎えてくれました。そしてロニーがステージに登場して一言二言話してから、今度はロニーがロリーを紹介しました。

もちろんロリーは、こんなことが起こるなんてまったく想像もしていなかった。ロイヤル・アルバート・ホールのステージで自分のヒーローが自分を紹介しているのを見て、びっくりして、ただ固まってしまったんだ。

ロリーはどこにいるんだろうと辺りを見回したけど、ロリーの姿はなかった。いつもなら、弾丸のようにステージをまっすぐ進み出てくるのがロリーだった。バンドは登場したのにロリーがいない。とても珍しいことだった。実際のところロリーはショックのあまり、ステージに上がることができなかったんだ!

終わった後、彼は“素晴らしかったけど、もう二度とこんなことはしないでくれ”と言っていた。彼は自分のヒーローの前で演奏することになったので、緊張して動けなくなってしまったんだ」