Dave Grohl - Photo via Wikimedia Commons/Andreas Lawen Fotandi
デイヴ・グロール(Dave Grohl) はかつて、1994年に
カート・コバーン(Kurt Cobain) が亡くなった後、自分探しの旅をしていたアイルランドの田舎で、コバーンのTシャツを着たヒッチハイカーに偶然出会ったことが、
フー・ファイターズ(Foo Fighters) 結成のきっかけとなったと語っていました。そのヒッチハイカーが名乗り出て、この逸話のヒッチハイカー側から見たストーリーを語っています。
グロールの2021年の著書『デイヴ・グロール自伝 THE STORYTELLER 音楽と人生――ニルヴァーナ、そしてフー・ファイターズ』のプロモーション期間中、出演した番組のインタビューの中で、この逸話を語っていました。
カート・コバーンの死により
ニルヴァーナ(Nirvana) が解散した1994年半ば、悲しみのどん底にあったグロールはただ逃げ出したかったと振り返っています。
「自分の人生をどうしたらいいのか分からなかった。音楽を聴くことさえできなかった。ラジオもつけたくなかった。楽器もしまった。音楽を聴くのがあまりにも辛かったので、“世界で最も好きな場所のひとつに行こう”と思った。そこは俺が見つけられる中で最も人里離れた場所の1つだった。ただ行って、自分探しをして自分を見つけようと思った。それで(アイルランド南西部ケリー州に広がる田園地帯)リング・オブ・ケリーに行ったんだ」
グロールがレンタカーでドライブしていたとき、あることが起きました。
「田舎道を運転しながら、自分の人生について考え、前に進もうとしていた。すると、ヒッチハイクをしている人が目に入った。彼はパーカーを着ていて、少し雨が降っていたかもしれない。彼に近づきながら、俺は“この子を乗せてあげよう。まだまだ道は続くから”と思った。
そして、どんどん近づいていくと、彼がカート・コバーンのTシャツを着ているのが見えた。そして思ったんだ。“どんなに人里離れた場所に行っても、このことからは逃れられない”とね。そして思ったんだ。“よし、家に帰ってやり直そう”と。そして、フー・ファイターズを始めたんだ」
このヒッチハイカーは名前はLorcan Dunneで、彼のいとこであるEoin Tigheと一緒に、ヒッチハイカー側からこの逸話を説明するビデオを制作しました。
Dunneはグロールがこの逸話を語る映像を見て、最近そのつながりに気づいたと説明しています。
Dunneは、友人たちとヒッチハイクの旅に出かけ、グロールが運転する車に近づいたことを思い出しています。
Dunneは、最初は気づかなかったものの、グロールを見たとき、Dunneが着ていた「カート・コバーンがプリントされたニルヴァーナのTシャツ」を見て、グロールが「ショックを受けたような表情をした」と振り返っています。理由は不明ですが、「その車はそのまま走り去ってしまった」ため、Dunneは乗せてもらえなかったそうです。Dunneは友人たちにこの話をしても誰にも信じてもらえなかったとも話しています。
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