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リッチー・コッツェン、新しい世代のミュージシャンに欠けていることを語る

2024/08/16 20:30掲載
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Richie Kotzen - photo credit: Juergen Spachmann
Richie Kotzen - photo credit: Juergen Spachmann
リッチー・コッツェン(Richie Kotzen)は、新しい世代のミュージシャンに欠けていることを語る。若いミュージシャンが理解していないこと、エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)がなぜ偉大なミュージシャンなのかを、Classic Album Reviewの新しいインタビューの中で語っています。

コッツェンは、ロック音楽の現状について尋ねられ、こう話しています。

「俺にとって非常に興味深いことのひとつは、テクノロジーによって、これまで決して音楽を作ることができなかったような人々が音楽を作れる状況が生まれたということ。

音楽は今、ミュージシャンではない人々によって作られている。“ミュージシャンではない人々”というのは、侮辱的な意味で言っているのではない。君や俺が音楽を学び演奏するようになった頃とは、ミュージシャンを定義する基準は大きく変わった。もしそれが不変のものであったとしたら、音楽の世界は今よりずっと狭かっただろう。テクノロジーの進歩により、俺たちの定義では必ずしもミュージシャンとは言えない人々でも音楽を作れるようになった。これは必ずしも悪いことではない。より多くの音楽が生まれ、より多様性が増し、より多くの視点が生まれる。ただ、俺が自分が好きな音楽を探すには、スキルセットが全然違うから、少なくなるもしれない。

もう一つ言っておきたいことがある。それはミュージシャンにとって非常に不思議なことなんだ。

エディ・ヴァン・ヘイレンは素晴らしいギタリストであり、偉大なギタリストだ。彼をどう定義するかは人それぞれだが、ギターを弾かない人でも聴きたくなるような素晴らしい音楽を作ったという点でも、彼は偉大だ。それが最大の要素なんだ。

残念ながら、新世代のいわゆる偉大なミュージシャンには、その要素が欠けている。

俺の考えでは、偉大なミュージシャンは素晴らしい音楽を作るべきだ。今日、偉大なミュージシャンは、とても難しい曲を本当にうまく演奏している。だから、彼らはその点では素晴らしい。でも、俺が欠けていると思うのは、そのほかの要素がないということなんだ。

スティーヴ・ルカサーは素晴らしいギタリストであると同時に、時代を超えて人々が今でも聴きたいと思うような素晴らしい音楽を作っているよね。

ギターの世界では今、能力は向上し、どんどん上へ上へと高まっている。音階やハーモニー、演奏技術に関する知識も深まっているけど、“音楽を作る”ということに関しては完全に放棄しているように見える。とても奇妙だ。

たまに新しいものを聴くと、“おお、すごい。これは本当にクールな曲だ”と思うこともあるけど、でも、ミュージシャンたちが音楽を作る上での創造性を放棄して、ただ楽器の演奏能力だけに集中しているというのは、興味深いことだよ」