アルバム・レビューにはまだ価値があるか? 近年「アルバム・レビューは死んだ」という話題も出ていますが、米国の人気音楽メディアPitchforkの新しい編集コンテンツ責任者は「アルバム・レビューの必要性はまだある」と新しいインタビューの中で話しています。
2024年1月、Pitchforkの親会社コンデナストはPitchforkをGQに統合し、2018年から編集長を務めていたプジャ・パテルを含む長年のスタッフを解雇しました。それから半年、コンデナストは、Pitchforkの新しい編集コンテンツ責任者に、ブログ「No Bells」を立ち上げ、NPRにも勤務していたマノ・スンダレサンが就任することを発表しています。
スンダレサンと、GQとPitchforkのグローバル編集ディレクター、ウィル・ウェルチは米ビルボード誌の取材に応じています。
ウェルチによると、PitchforkがGQの傘下に入っても、「PitchforkはPitchforkとして継続し、GQはGQとして継続します」「Pitchforkブランドは単独で続いており、GQも同様に単独で続いています」と話しています。
また、スンダレサンは「Pitchforkの伝統をそのまま尊重したいと思っています。ここ数年、特にアクセシビリティを広げ、より会話しやすいものにするなど、多くのことを成し遂げてきました。私はそうした努力を続けていきたい。本当に私が重視しているのは、個人の声が優先される現代のメディアにPitchforkを適応させることです」と付け加えています。
このインタビューでは、「アルバム・レビューにはまだ価値があるか?」とも質問されています。
Q:レイオフされる前から、Pitchforkはレビューの掲載数を減らし、トップページでは下のほうに移動しているように見えます。ニューヨーク・タイムズ紙はかつて、レビューに重点を置いていましたが、現在ではレビューから遠ざかっています。今でもこのフォーマットにはまだ価値があると思いますか?
スンダレサン:
「数ヶ月ごとに、アルバム・レビューは死んだという話題が出ているような気がします。そのような会話が飛び交うなか、18,000人以上の人がテイラー・スウィフトが6.2点だったとか、何点だったとかいう投稿をしています。アルバム・レビュー、特にそういった本当に大きなリリースのレビューは、ファンによって熟読されています。Pitchforkのウェブサイトで最も観られているもののいくつかは、今でもアルバム・レビューです。
歴史の記録という観点からも、アルバム・レビューの必要性はまだあると思います。TiktokやInstagramのリールのようなプラットフォームは本当に重要で、Pitchforkはそれらをもっと活用し、もっと面白いコンテンツを作る必要があると思います。しかし、できることは限られています。5年後、10年後に誰かが戻ってきて、この時期にこんなことがあったんだとわかるように、本当に重要なリリースについては、ある種の包括的な文章が必要なのです」
ウェルチ:
「また、もし他のメディアがレビューから撤退しても、Pitchforkがまだレビューに力を入れているサイトとして知られているとしたら、それは僕たちにとって強みになるはずです。このサイトの基本はニュースとレビューであり、それは継続できますし、継続すべきです。そして、僕たちは他のクールなこともたくさんやっていくつもりです」