ファッション・デザイナーでありながら、ニューヨーク・ドールズやセックス・ピストルズの仕掛け人としても知られるマルコム・マクラーレン。1983年からは自身の音楽活動を始め、ヒップホップやラウンジ・ミュージック、クラシック音楽などをコラージュした刺激的な作品をリリースした。十代の頃、ジューク・ボックスから流れてくるマイルス・デイビス、アート・ブレイキーが録音したフレンチ・ジャズやフランソワーズ・アルディの音楽と、カミュやサルトルの哲学に夢中になり、フランス=パリへの憧れを膨らませたというマルコム。1994年にリリースされた本作『パリ』は青年時代のマルコムのパリへの想いを、ジャズとエリック・サティをベースに90年代初めのダンスビートを融合させたサウンドで再現。共同プロデューサーにシャーデーやスタイル・カウンシル、エヴリシング・バット・ザ・ガールなどを手がけたロビン・ミラーを迎え、セルジュ・ゲンスブールやボリス・ヴィアンを彷彿させるマルコム自身の唄と語りに加え、カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・アルディ、ソニア・リキエル(ファッション・デザイナー)、アミナ等フランスを代表するアーティストがゲスト参加。エリック・サティのメロディをトランペットで奏でるアイデアが秀逸な「Miles and Miles of Miles Davis」、女優カトリーヌ・ドヌーヴのヴォーカルとメロディが印象的な「Paris Paris」、2024年6月11日に逝去したフランソワーズ・アルディをゲスト・ヴォーカルに迎えた「Revenge of the Flowers」、セルジュ・ゲンスブールが書き、ジェーン・バーキンが歌った「Je t'aime... Moi non plus」のカバーなど、マルコム・マクラーレンのパリへの想いに溢れた作品となっている。今回の再発にあたって、未発表曲などのボーナス・トラックが追加され、2枚組LPは19曲、デジタル配信は23曲を収録している。
MV) “Revenge of the Flowers” Malcolm McLaren, Françoise Hardy
■『Paris』
1. Mon Dié Sénié 2. Walking with Satie 3. Père Lachaise 4. Miles and Miles of Miles Davis 5. Jazz is Paris 6. Rue Dauphine 7. Paris Paris (Malcolm McLaren & Catherine Deneuve) 8. Je t'aime... Moi non plus 9. Club Le Narcisse 10. La main Parisienne (Malcolm McLaren & Amina) 11. Driving Into Delirium 12. Revenge of the Flowers (Malcolm McLaren & Françoise Hardy) 13. In the Absence of the Parisienne 14. Anthem 15. Who the Hell is Sonia Rykiel? 16. Paris un - Instrumental 17. Paris deux - Instrumental 18. Paris trois - Instrumental 19. Paris quatre - Instrumental 20. Paris cinq - Instrumental 21. Paris six - Instrumental 22. Paris sept 23. Paris Lutece Paname