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ジェフ・ダウンズ 新生エイジア誕生の経緯を語る、ジョン・ウェットンが亡くなる前に2人でエイジアの新曲を作り始めていたことも明かす

2024/06/22 20:52掲載
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Asia 2024
Asia 2024
エイジア(Asia)が新たなラインナップで再始動することについて、唯一のオリジナル・メンバーであるジェフ・ダウンズ(Geoffrey Downes/Geoff Downes)が英Prog誌のインタビューの中で、その経緯を語っています。ダウンズはまた、ジョン・ウェットン(John Wetton)が亡くなる少し前に2人でエイジアの新曲を作り始めていたことも明らかにしています。

エイジアは7月に、彼らがヘッドライナーを務める北米ツアー<The Heat Of The Moment Tour>を行う予定です。エイジアのラインナップは、ジェフ・ダウンズ、イット・バイツ/Lonely Robotほかのギタリストのジョン・ミッチェル、プラネットXのドラマーであるヴァージル・ドナティ、そしてシンガーのハリー・ウィットリーの4人です。

ジョン・ウェットン(John Wetton)の妻リサは新ラインナップで再始動することについて、「ジョン自身、音楽が生き続けることを望んでいたので、このツアーを支持したはずです。名前を変えることはジョンの意思に反します」との声明を発表しています。詳しくはこちら

ハリー・ウィットリーを含む今回のラインナップは、2023年に開催されたジョン・ウェットンのトリビュート・ライヴでも演奏しました。ダウンズによると、このパフォーマンスの反響の大きさが再始動を考える大きなきっかけとなったそうです。

「会場にいた観客だけでなく、自宅でストリーミング配信を観ていた人たちからも、信じられないほどの反響があった。みんな僕たちがやっていることに感銘を受けたようで、本当に大きな衝撃を受けた。そこからアイデアが生まれた。エイジアで再びツアーに出て、またやれたら最高だと思ったんだよ」

今回のツアーは、1982年にリリースしたデビューアルバム『Asia』のヒット曲「Heat of the Moment」にちなんで名付けられています。

「ファースト・アルバムからずいぶん時間が経ったけど、特に僕がハリーを見つけたことで、自然にそこに戻ったと思うんだ。彼はジョン・ウェットンの真似をしているわけではないけれど、もともとエイジアの大ファンで、彼の声はウェットンにとても似ているんだ」

クラシック音楽の訓練を受けたウィットリーがダウンズの目に留まったのは、ウィットリーが自身のYouTubeチャンネルで、エイジアのカヴァーを驚くほど上手に披露していたからでした。ダウンズはウィットリーについてこう話しています。

「ハリーが、僕の音楽が彼に大きな影響を与えたと言っていたので、彼のことを調べてみようと思ったんだ。彼の細部へのこだわり、特にヴォーカルのイントネーションには本当に圧倒された。彼は“Heroine”カヴァーで、ジョンにしかできないような複雑な曲調をうまく表現していた。それを聴いて本当に驚いたし、かなりグッときた。ジョンの歌声は人々を涙させる力があるからね。それで、トリビュート・ライヴの企画が進んだとき、彼に連絡を取ったんだ。これらの曲を印象付けるとしたら、この人しかいないと思ったんだ」

ダウンズは<The Heat Of The Moment Tour>について、こう話しを続けています。

「ファースト・アルバムからかなり多くの曲を演奏する予定だよ。あれが決定的な1枚で、すべてを軌道に乗せた1枚なんだ。あんな驚異的な売り上げを記録するとは予想もしていなかった。1982年に最も売れたアルバムだった。(ツアーでは)アルバム全体を見渡して、アクション満載のライヴにしたいと思っているよ」

新たなスタジオ・アルバムのリリースは今のところありませんが、ダウンズは、2017年にジョン・ウェットンが亡くなる少し前に、彼とウェットンがエイジアの新曲を作り始めていたと明かしています。

「それらはまだ完全に練り上げられたものではなかった。まだ基本的なアイデアに過ぎなかった。その後、ジョンの健康状態が急速に悪化してしまったため、それをさらに推し進める機会を得ることができなかったんだ。かなりの量の素材が残っている。ジョン・ミッチェルとかに協力してもらおうと思っているんだ。うまくいけば、ジョンが望んでいたような形でまとめることができるかもしれない」

ギタリストのミッチェルは、ウェットンとダウンズのIconプロジェクトにも参加したことがあります。

以下は、ハリー・ウィットリーによる「エイジア楽曲をカヴァーしてみた」映像集