ポール・ウェラー(Paul Weller)の最新アルバム『66』には、
プライマル・スクリーム(Primal Scream)のボビー・ギレスピーが作詞で参加しています(「Soul Wandering」)。アイルランドのHotpress誌の新しいインタビューの中で、プライマル・スクリームの好きなアルバムについて、『Screamadelica』のような本格的なダンス・アルバムを作ったことがあったがレコード会社から拒否されたことを話しています。
プライマル・スクリーム『Screamadelica』のファンですか? と尋ねられたウェラーは、こう話しています。
「大好きだったよ。正直なところ、彼らのほとんどのアルバムが好きなんだ。『Vanishing Point』から『Xtrmntr』、『Evil Heat』までの時期が特に好きだ。彼らは何枚かのアルバムを近い時期に作っていたけど、その時期は彼らにとって素晴らしい時期だったと思っている。彼らは素晴らしいよ。ボビーも大好きなんだ」
Q:『Screamadelica』のような本格的なダンス・アルバムを作りたいと思ったことはありますか?
「スタイル・カウンシルでやったことはあるけど、レコード会社が出すのを拒否したんだよ!(笑)
そういうのは、自然に生まれたものでないとうまくいかないんだ。みんなから“なんで無理にダンス・アルバムを作ろうとしているんだ?”とか言われるだろうね。
くだらないものになるだけだよ。俺は自然な流れに身を任せているから、そういうことはしないかな。でも、俺はいろんな音楽が好きだから、何だってあり得る。新作アルバムに“Flying Fish”という曲があるんだけど、俺にとってはそれがディスコ/ダンストラックなんだ」
また、若い頃のウェラーは、「That's Entertainment」や「Going Underground」のような
ザ・ジャム(The Jam)の名曲で辛辣な社会風刺を織り交ぜたことでも知られていました。今の彼にとって、曲作りはより個人的なものになっているのでしょうか? ウェラーは、こう答えています。
「ああいった政治的な曲を書くのは難しいと思う。もしそういう曲を書こうと思っても、もう書いてしまったと思ってしまうからね。“Eton Rifles”や“Going Underground”などの曲で言ったこと以外、他に何を言えばいいのか思いつかないんだ。
俺の考え方はあまり変わっていない。自然に思い浮かんで、どうしても書かなければならないという状況にならない限り、40年以上前に書いたことを蒸し返すだけになってしまう。腰を据えてあのような曲を書くことは、もうできないと思うよ」
「年を重ねるほど、人生はそれほど感動的ではなくなる。なぜなら、クソみたいなことも見てきたし、経験もしてきたからね。
だから、本音に言うと、あまり言うことはないんだ。もうたくさん話したり、考えたりしてきたからね。同じことを言おうとする意味がわからない。ただ言葉を変えたりするだけなんて、クソみたいなことだ。自然に湧き出るものを書くだけだし、抽象的な歌詞もいくつか気に入っている。自分の考え方を表現するという点では、その方が自分に合っているんだ。
他人の言葉を歌うのも面白い。もちろん、そもそもその言葉に共感しなければならない。でも、他人の言葉を解釈して自分の音楽に落とし込むという挑戦が好きなんだ。何よりも、俺にはそんなに言いたいことがないからね。だったら何も言うな!という感じなので、誰かに詞を書いてもらっている。音楽的なアイデアはたくさんあるけれど、歌詞はもっと難しいよ」