ビリー・ジョエル(Billy Joel)は今年、17年ぶりの新曲「Turn the Lights Back On」をリリースしましたが、これは新しいアルバムのリリースを予告するものなのでしょうか? ジョエルは米Varietyの新しいインタビューの中で、この質問に答えています。
彼はこの質問に「いいえ」と即答しています。そして、こう続けています。
「そもそも、今どきアルバムを作っている人なんているの? 最近、新しいアルバムを作っている人なんて、テイラー・スウィフトかオリヴィア・ロドリゴくらいじゃないかな。アルバムを作っている人なんて他に知らないよ。 マーケティングが今どうなっているのか知らないんだ」
加えて、ジョエルは曲を書くことが好きではなく、それを「一種の拷問」と呼んでいます。
「作曲をしていると、88本の歯を持つ大きな黒い獣(※ピアノの鍵盤の数は88)が僕の指を噛みちぎろうとするんだ。僕は自分自身を追い詰めてしまう。自分が望むような良い作品にはならない。それは大きな苦悩であり、もうこれ以上自分を苦しめたくないと思ったんだ。以前は、曲を作っているときは、ハードルを高く設定していたため、飲酒問題を抱えたり、自己嫌悪に陥ったりしていた。もうそんなことはしたくない。音楽を作ることは大好きだよ」
また、同じインタビューの中で、ミュージックビデオをあまり制作していない理由についても話しています。17年ぶりの新曲「Turn the Lights Back On」のためにミュージックビデオを作りましたが、本当はやりたくなかったようです。
「僕はカメラに映るのが好きじゃない。カメラが苦手なんだ。テレビに映ると、いつもダサいやつだと感じてしまう。ピアノの前でじっとしていて、動き回ることができないから。ボディーランゲージも使えない。ピアノの前から動けないんだ。カメラに映っているときは、ロックンロールという感じがしない。動けなくなってしまうからね」
ジョエルは新しいアーティストたちにアドバイスはありますか?と尋ねられて「容姿端麗な両親を持つこと」とジョークを言ったあと、真面目にこう話しています。
「レコード業界の人の言うことは聞かないこと。彼らはとにかくたくさん売れるものを作らせたがっているからね。ミュージシャンは本当に自分が作れる最高の音楽を作りたいと思っている。本物のミュージシャンなら、大事なのは音楽であって、レコードの売上やチャート、数字ではない。レコードを売り、自分の作品を売り込まなければならないというプレッシャーは大きい。“商品を出せ、商品を出せ、商品を出せ”って言われるからね。君は商品じゃない、ミュージシャンなんだ。若い人たちは、そのプレッシャーにとらわれてしまいがちだ」