ピンク・フロイド(Pink Floyd)のデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)は9年ぶりの新ソロ・アルバム『Luck and Strange(邦題:邂逅)』から、彼の22歳の娘ロマニー・ギルモアがヴォーカルとハープで参加した「Between Two Points (with Romany Gilmour)」を公開しています。この曲はザ・モンゴルフィエ・ブラザーズが1999年に発表した楽曲のリメイク。
ギルモアが家族と『フォン・トラップト・ファミリー』として2020年と2021年のロックダウン中に全世界のオーディエンスに向けてライヴ・ストリーミング演奏を行っていた頃、ロマニーは歌とハープを担当しており、デヴィッドはふたりの声が家族にしかできない形で融合することに気づいた。同じ頃、デヴィッドとロマニーは「Yes, I Have Ghosts」という曲でコラボレーションを行った。この曲は新作『邂逅』のCDにボーナストラックとして収録される。「ロマニーがこの曲にまさにおあつらえ向きの脆さと若々しさを持っていることに気づいたんだ。実は僕たちが歌ってくれと頼んだとき、娘は宿題のエッセイを半分まで書いた途中で、電車を捕まえないといけない状態だったんだが、“わかったわ。1回だけ歌うからマイクをオンにして”と言ってくれた」。デヴィッドによると、その時最終ヴォーカルの90%ができたという。
「Between Two Points」のビデオはロンドンとマンチェスターで撮影が行われ、デヴィッドがギター、フィーチャリングとしてロマニー・ギルモアがヴォーカルとハープを担当している。ビデオの監督を務めたギャヴィン・エルダーがこう語る。「ロマニーはこの曲を並外れたレベルの儚さ、脆さで、抑えを利かせて演奏している。デヴィッドとロマニーの間には繊細かつ深い感情が通い合っている。それを手持ち撮影のカメラでとらえることによって、ビデオの中で緊張感を強調したんだ」
ミュージックビデオ
アルバムは9月6日発売。リリース元はソニー・ミュージック。
以下、リリース決定時のインフォメーションより
『Luck and Strange』はブライトンとロンドンで5ヶ月余りをかけてレコーディングされ、デヴィッド・ギルモアの全曲新曲のアルバムとしては2015年の『飛翔(Rattle That Lock)』以来9年ぶりとなる。プロデュースを手がけたのは、デヴィッド・ギルモアとチャーリー・アンドリュー(ALT-Jやマリカ・ハックマン他)。きっかけはマーキュリー賞を受賞したインディー・バンド、ALT-Jを手がけたチャーリー・アンドリューのプロデュース・ワークに感銘を受けたデヴィッド・ギルモアが彼にインスタグラム上でダイレクト・メッセージを送ったことから始まる。これまでにない新たな制作過程についてデヴィッド・ギルモアはこう語る。「チャーリーを家に呼んだんだ。いくつかデモを聴いてくれて “ところでどうしてこんなところにギター・ソロがないといけないんでしょうか?”“全部フェード・アウト?いくつかはただ終わらせる訳にはいかないんでしょうか?”なんて言っていた。彼は僕がこれまでやってきたことに対して、素晴らしいくらい知識やリスペクトに欠けているんだ。とてもダイレクトで、まったくもって萎縮していない。そこが最高にいいんだ。僕にとってはとにかくとてもいい。ただ言われるがままというのだけは嫌だからね」。
アルバムの歌詞の大半は、この30年間デヴィッド・ギルモアとコラボレーションを行ってきた妻のポリー・サムソンが担当。ポリー・サムソンは『Luck and Strange』のテーマについてこう語る。「年老いていく身の視点から書いたもの。死の必然性が絶えずありました」。デヴィッド・ギルモアも更にこう語る。「僕たちはロックダウンの最中、そして、その後もその手のことを話し合ったり考えたりしながら、たくさんの時間を費やしたんだ」。ポリー・サムソンはチャーリー・アンドリューと仕事を共にする経験によって自由になれたとも言う。「彼は曲の内容を知りたがるし、その曲で演奏する全員が、歌詞の内容を演奏に反映させることを望み、それがとてもうまくいきました」。
本作に参加したミュージシャンは、ベースのガイ・プラット(1987年以降ピンク・フロイドのレコーディングやツアーに参加)とトム・ハーバート、ドラムスのアダム・ベッツ、スティーヴ・ディスタニスラオ、キーボードのロブ・ジェントリーとロジャー・イーノ(ブライアン・イーノの弟)、ストリングスとコーラスのアレンジを行ったウィル・ガードナー、そして伝説的ドラマー、スティーヴ・ガッドも参加。タイトル曲「Luck and Strange」には今は亡きピンク・フロイドのキーボード奏者、リチャード・ライトもフィーチャーされており、2007年にデヴィッド・ギルモアの自宅にある納屋で行ったジャムの音源が使用されている。
録音には2020年と2021年のロックダウン中にデヴィッド・ギルモアと家族が世界のオーディエンスに向けて行ったライヴ・ストリーミング“フォン・トラップト”から登場した者たちもいる。娘のロマニー・ギルモアは歌とハープを担当し、「Between Two Points」ではリード・ヴォーカルで登場。息子のガブリエル・ギルモアもバッキング・ヴォーカルで参加。また息子のチャーリー・ギルモアはアルバムの最終曲「Scattered」の作詞を担当し、アントン・コービンが撮影とデザインを手がけたアルバム・ジャケットのイメージはこの詞からインスピレーションを受けている。
『Luck and Strange』で家族と仕事を共にしたことについて、デヴィッド・ギルモアはこう語る。「ポリーと僕は30年以上一緒に曲を書いてきたし、“フォン・トラップト”のライヴ・ストリーミングではロマニーの声やハープ・プレイの素晴らしい融合が見られた。僕たちはそれによって、僕がしがらみを感じていた過去の一部を捨て去って、それらのルールを投げうって、やりたいと感じるままにやろうという気になったんだ。実に楽しいよ」。
以下は以前に公開された映像
「The Piper’s Call」のミュージックビデオ
■『Luck and Strange』
●VINYL Black vinyl, gatefold sleeve and booklet with photography and design by Anton Corbijn
SIDE ONE Black Cat* Luck and Strange The Piper’s Call A Single Spark Vita Brevis* Between Two Points** - with Romany Gilmour
SIDE TWO Dark and Velvet Nights Sings Scattered***
●CD Album plus two bonus tracks. Digipak and booklet with photography and design by Anton Corbijn
Black Cat* Luck and Strange The Piper’s Call A Single Spark Vita Brevis* Between Two Points** - with Romany Gilmour Dark and Velvet Nights Sings Scattered***
BONUS TRACKS Yes, I Have Ghosts Luck and Strange (Original Barn Jam)
[日本盤CDボーナストラック] Scattered (Orchestral Version)
●BLU-RAY – AUDIO ONLY Album in Dolby Atmos and high-resolution stereo mixes plus four bonus tracks. Digipak and booklet with photography and design by Anton Corbijn
Black Cat* Luck and Strange The Piper’s Call A Single Spark Vita Brevis* Between Two Points** - with Romany Gilmour Dark and Velvet Nights Sings Scattered***
BONUS TRACKS In Dolby Atmos and Hi-Res stereo
Yes, I Have Ghosts Luck and Strange (Original Barn Jam) A Single Spark (Orchestral) Scattered*** (Orchestral)
Deluxe LP & CD boxsets will be announced in the coming weeks.
<クレジット> DAVID GILMOUR ‘LUCK AND STRANGE’
All songs Music: David Gilmour. Lyrics: Polly Samson. Except *Music: David Gilmour. **Music: Mark Tranmer. Lyrics by Roger Quigley. ***Music: David Gilmour. Lyrics: David Gilmour, Charlie Gilmour and Polly Samson.
Produced by Charlie Andrew and David Gilmour Engineered by Matt Glasbey, Charlie Andrew, David Gilmour and Damon Iddins Additional engineering by Andy Jackson and Luie Stylianou Mixed by Matt Glasbey, Charlie Andrew and David Gilmour