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書籍『音楽雑誌と政治の季節 戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程』発売

2024/06/06 19:53掲載
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音楽雑誌と政治の季節   戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程
音楽雑誌と政治の季節   戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程
書籍『音楽雑誌と政治の季節 戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程』が青弓社から6月25日発売。

『ニューミュージック・マガジン』などの1970年前後のオルタナティブな批評誌で展開された議論や論争を読み込み、当時のポピュラー音楽と社会状況との関わりを明らかにする。音楽が情況や運動とどう対峙したのかを描くことで、戦後日本が抱える内なる他者やアメリカの変容をあぶり出す。
■『音楽雑誌と政治の季節   戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程』
山崎 隆広(著)
四六判  400ページ 上製
定価 3600円+税
ISBN978-4-7872-3538-1 C0036
書店発売予定日 2024年06月25日

<内容>
1969年に評論家・中村とうようたちが創刊した音楽批評誌「ニューミュージック・マガジン」は、「ロッキング・オン」などとともに戦後のポピュラー音楽やサブカルチャーをめぐる議論を牽引した。そのなかで〈他者〉、とりわけアメリカはどのような存在だったのか。

戦後の音楽産業、音楽雑誌や出版をめぐる事情などの基礎知識を押さえたうえで、「ニューミュージック・マガジン」の編集者を務めた北中正和へのインタビューや日本語ロック論争から、当時のポピュラー音楽と社会状況との関わりを明らかにする。加えて、吉本隆明たちが立ち上げた「試行」が日本の文化状況に与えたインパクトや、サブカルチャーへの影響などについても検証する。

1970年前後のオルタナティブなリトルマガジンで展開されたポピュラー音楽批評から、音楽が情況や運動とどう対峙したのかを描き、それをとおして戦後日本が抱える内なる他者や〈アメリカ〉の変容をあぶり出す。

<目次>

序 章 〈他者〉の到来
第1章 「音楽誌史」概観
第2章 「ニューミュージック・マガジン」の一九六九年――七〇年前後のメディア環境
第3章 雑誌メディアの〈情況〉と〈運動〉、〈他者性〉をめぐる問題――「ニューミュージック・マガジン」一九七〇―七四年
第4章 〈情況〉とサブカルチャー――雑誌「試行」をめぐる文化論的考察
第5章 雑誌と〈敗北〉――「試行」と「ニューミュージック・マガジン」、サブカルチャーのなかのアイロニー
第6章 成長と運動の時代における〈他者〉の変容――オルタナティブなメディアはなぜ一九七〇年前後に生起したか
第7章 出版研究における〈場〉の理論導入の可能性――ブルデュー『芸術の規則』を手がかりに
第8章 雑誌のなかの〈基地〉表象――一九七〇年前後のメディア情況からの考察
終 章 政治の季節と音楽雑誌
補 論 北中正和氏インタビュー:音楽と批評――戦後日本のポピュラー音楽環境と「ニューミュージック・マガジン」をめぐって

参考文献
あとがき
索引

<著者プロフィル>
山崎 隆広(ヤマザキ タカヒロ)
1969年、群馬県生まれ。群馬県立女子大学文学部教授。専攻はメディア論。共著に『雑誌メディアの文化史――変貌する戦後パラダイム[増補版]』(森話社)、論文に「デジタル時代の読書についての史的、意味論的観点からの考察」(「出版研究」第51号)、「〈情況〉とサブカルチャー――雑誌『試行』をめぐる文化論的考察」(「群馬県立女子大学紀要」第38号)、監訳書に『オックスフォード出版の事典』(丸善出版)、共訳書に『デジタル・スタディーズ 第2巻 メディア表象』(東京大学出版会)など。