The Cars - Ebet Roberts/Redferns/Getty Images
ザ・カーズ(The Cars)の1980年アルバム『Panorama』に収録されている「Touch and Go」のギター・ソロは、
エリオット・イーストン(Elliot Easton)のソロの中でも最高傑作のひとつと広く評価されていますが、レコーディングは一筋縄ではいかなかったという。本人が米Guitar Worldの新しいインタビューの中で振り返っています。
「僕はベーシック・トラックのカセットをホテルに持ち帰って、パートやソロを練った。“Touch and Go”のソロも何晩か練習したし、さらに手を加えて、自分が本当に気に入ったものに仕上げたんだ。
本当に誇りに思ったし、少し成長できたような気分だった。ちょっとジャジーでスティーリー・ダンっぽいところもあって、とても気に入っていた。翌日、レコーディングのためにスタジオに入ったとき、もちろん興奮していた。
僕はそのソロを完璧に弾いたんだけど、部屋は静まり返っていた。ノーリアクションだった。みんな下を向いていた。信じられなかったよ」
当然のことながら、イーストンはこの反応に落胆しました。彼はその場しのぎとして、フェンダー・プレシジョン・ベースを逆さまにして、最初のアイデアの代わりにベースソロを演奏してみることにしました。
しかし、何をやってもうまくいかず、イーストンはこの試練にひどく動揺し、涙を流したという。感情が高ぶったイーストンは再びギターを手にし、最初のソロをもう一度弾きました。すると、今回は反応が違いました。
「僕はただ爆発した。“もう知るか、僕はソロを弾く”。ベースを置いてギターを手に取り、怒りと動揺で目に涙を浮かべていた。ギターを手に取り、彼らはトラックを流し、僕は一気に弾ききった。
すると、彼らは“そうだ、それだ!”と言った。僕は“何を言ってるんだ?同じソロだよ”と言うと、彼らは“さっきは、考えすぎているように聴こえた”と言ったんだ」
控えめに言って、イーストンは激怒していました。
「ソロを演奏するのが楽しみで興奮していたのに、あまりにも無反応だったので、頭に血が上ってしまったんだ。彼らを殺してしまってもおかしくなかった。
“冗談じゃないよ。これは僕が今までやった中で最高の出来なのに、違うものを求めているなんて”みたいな感じだった。それでこう(ギター・ソロが使われることに)なったんだよ」